強者弱者(127)

夏至

 二十二日夏至、昼最も長く、夜最も短し、未だ宵と思う間に夜を更し、終電車に乗り遅れたる人の、歩して場末の家に帰る途すがら、新聞配達または、牛乳配達に行きあひて東のしらみたるを知りたるもをかし。此頃北寒帯に夜なく、南寒帯に昼なし。

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夏至は年によって日にちが若干異なります。今年(2010年)は昨日(6月21日)でした。

「未だ宵と思う間に夜を更し」というのは少し大袈裟のようにも思いますが、イギリスなどでは正にこんな感じですね。

北寒帯とか南寒帯という言い方は現在では珍しいと思いますが、明治時代は普通に使われていたのでしょうか。
これは間違いでも何でもなく、昔から「五帯」として総称されていました。五帯とは、熱帯、北温帯、南温帯、北寒帯、南寒帯を指します。

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