強者弱者(129)

薔薇

 薔薇花咲く。舶来の異種とりどりに作り出でたるは更なり。生ふるが儘にまかせたるが、墻を越えて爛漫と咲き出でたる、花小さくひなびたれども道行く人の眼を惹きて、却々に捨て難し。物思ふ夕を高きに登り立つ愁人の裾にまとひて野薔薇の白く咲きたるもよし。蕪村句あり、『愁ひつゝ岡にのぼれば花茨』

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「薔薇」は「しょうび」と読みます。「そうび」でも可。いわゆるバラのことで、「バラ」と読むほうが一般的かも知れません。

例えば冬に咲くバラは「冬薔薇」。これは「ふゆしょうび」(または「ふゆそうび」)でしょう。
しかし「野薔薇」となると「のばら」の方が語呂が良くなりますね。

「愁人」(しゅうじん)は、もののあわれを解する人のこと、転じて詩人の意味です。

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