強者弱者(134)

七夕

 東京にてはすべて陰暦の行事を陽暦にて行ふ。七夕祭の如きは其滑稽なるものの一なり。七月七日七夕の祭といへど空に星なく梅雨淫々として霽れざること多し。七夕はもと織女星の祭にて、織機を始め女子の手工の巧みならんことを祈るの意にて庭前に竹を樹て、五色の紙に歌などかき添ふるを例とすれど、東京にては此事稀に行はる。
 梅子酸を呈す。

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今日は七夕ですが、この行事は陰暦で行ってこそ意味があるもの、という話題です。

七夕は本来「棚機」(たなばた)と書くべきもの。女子の裁縫の上達を願った行事で、庭前に供物をし、葉竹を立てて五色の短冊に歌や字を書いて飾り付けるものです。

いわゆる五節句の一つ。五節句とは、1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうみ)、5月5日が端午、7月7日が七夕、9月9日の重陽(ちょうよう)のこと。

「梅子酸を呈す」。拙宅でも毎年梅を漬けますが、そろそろジュースが飲み頃になって来ましたね。

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