グッドウッド2010・3日目
昨日のグッドウッド競馬場、グローリアス・グッドウッド3日目のパターン・レースは3鞍です。いつものようにレース順に。
キング・ジョージ・ステークス(GⅡ、3歳上、5ハロン)は去年までGⅢランクでしたが、今年からGⅡに格上げされています。キング・ジョージ5世が戴冠した1911年創設の伝統ある短距離戦。
2頭取り消しがあって15頭立ての多頭数、直線コースでの攻防です。
圧倒的な支持を集める馬が不在の中、押し出されるように9対2の1番人気を集めたボーダーレスコット Borderlescott が順当に実力を発揮して快勝しました。
半馬身差2着にグループ・セラピー Group Thrapy が入り、頭差3着にアストロフィジカル・ジェット Astrophysical Jet という3歳馬が続きます。
ゴール寸前でライアン・ジョーンズ騎乗のトリプル・アスペクト Triple Aspect が鞍ズレを起こして落馬したのはアンラッキーでした。落ちたのは騎手だけで、人馬共に無事。
勝ったボーダーレスコットは8歳のせん馬。出走馬中最高齢ですが、今シーズンもパターン・レースで堅実な成績を残しています。これが13勝目になりますが、パターン・レースは三つ目。それまでの2勝はいずれもナンソープ・ステークス(GⅠ)で、今年もこのGⅠ戦に照準を合わせてきた感じ。
もし勝って3連覇を達成すれば、ナンソープ史上3頭目の快挙となります。さてどうなりますか・・・。
調教師はロビン・バスティマン、騎手はキーレン・ファロンでした。ナンソープ・ステークスはいずれも異なった騎手で勝っていますから(去年はカラン、一昨年はコスグレイヴ)、今年は誰が騎乗するかにも注目です。
続いては一転して長距離戦。グッドウッド・カップ(GⅡ、3歳上、2マイル)はいくつかのドラマが生まれています。
ここも2頭が取り消して10頭立て。ロイヤル・アスコットのゴールド・カップで2着したエージ・オブ・アクエリアス Age Of Aquarius が4対6の1番人気に支持されていました。
先行逃げ切り策を得意とするエージ・オブ・アクエリアス、今日も騎乗停止明けの主戦騎手ジョニー・ムルタを鞍上に快調に飛ばしていました。
しかし異変が起きたのは丘の頂上、直線入り口の手前。バランスを崩したように見えましたが、ムルタは後脚を気遣うように馬を止め、競走を中止してします。
同馬はそのまま競走馬病院に直行、診断の結果は左後脚骨折。生命に別条はないものの、競走馬として復帰できるかは微妙とのことです。
陣営としては次のイェーツ Yeats として期待していただけに、落胆は否めません。種牡馬としての再スタートに期待しましょう。
さてレース。本命の突然の脱落で、2番手を追走していたイレクトロライザー Electrolyser が先頭に立つ形になりましたが、出遅れて後方待機、最後のダッシュに持ち込んだイラストリアス・ブルー Ilustrious Blue が末脚を伸ばして優勝。8対1の4番人気でした。
イレクトロライザーが1馬身4分の1逃げ残って2着、更に2馬身4分の3差でパープル・ムーン Purple Moon が3着。
勝ったイラストリアス・ブルーは、開業して5年目となるウイリアム・ナイト師の管理馬。ジム・クロウリーが騎乗していました。
ナイト調教師は地元グッドウッドを本拠にしている方で、馬自身もグッドウッドが大得意。これで51戦10勝となる7歳馬ですが、10勝のうち7勝がグッドウッドでのもの。
グローリアス・グッドウッドでは、2006年のハンデ戦、去年のグローリアス・ステークス(GⅢ)に続く3勝目となります。(同馬の初勝利もグッドウッドでした)
なおこのレースには今年13歳になるヴェテランせん馬、カラッチオーラ Caracciola が出走していましたが、これが引退レース。3番手を進んでいましたが、直線は伸び脚なく8着で競走生活を終えています。
最後はリリー・ラングトリー・ステークス(GⅢ、3歳上牝、1マイル6ハロン)。牝馬の長距離戦という比較的レアなジャンルです。
13頭が出走。6対4の1番人気には、前走プリティー・ポリー・ステークス(GⅠ)2着のフライング・クラウド Flying Cloud が期待されていました。
しかし結果は、5番手を進んだ16対1の伏兵イースタン・アリア Eastern Aria が抜け出し、コースレコード・タイムをマークしての快勝です。
2着はポリーズ・マーク Polly’s Mark が2馬身4分の3差で、更に2馬身半差でモトリース Motrice が3着の順。
フライング・クラウドは中団から内を突きましたが、最後は伸びを欠いて5着と期待を裏切りました。
イースタン・アリアはマーク・ジョンストン厩舎、リチャード・ヒルズ騎乗。
去年のグローリアス・グッドウッドでもハンデ戦に勝ちましたが、ずっとハンデキャップ・クラスで走ってきた馬で、これがパターン・レース初挑戦での初勝利となります。
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