圧巻のムーンライト・クラウド
今日はここまで競馬日記を4本片付け、もう終わりにしようと思いましたが乗り掛かった船。一気に日曜日のレポートも片付けて追い付いちゃいましょう。ガンバレ、メリーウイロウ!
さて日曜日はアイルランドとフランスで一鞍づつ。又しても雨が勢力を盛り返してきたようで、どちらも重い馬場で行われたようです。そう言えばロンドンも土砂降りだったみたい。
最初にアイルランドのコーク競馬場から、ギヴ・サンクス・ステークス Give Thanks S (GⅢ、3歳上牝、1マイル4ハロン)。馬場は soft to heavy という重の鬼には願ってもない状態。3歳と4歳が1頭づつ取り消し、7頭立てで行われました。ここ10年で3歳が6勝してるレースですが、ここ2年は古馬に軍配が上がっており、今年もその傾向を踏襲した結果になりました。
3ポンドのペナルティーにも拘わらず1本被りの圧倒的1番人気(1対7)に推されたサファイア Saphire は、前走プリティー・ポリー・ステークス(GⅠ)でイッツィ・トップ Izzi Top の2着した実力馬。イッツィ・トップは前日にグッドウッドで負けてしまいましたが、ここではサファイアの力が勝っているでしょう。
201対1の人気薄デミューリー Demurely の2番手に付けたサファイア、他馬を全く問題にせず、逃げ馬に7馬身半差を付けてファンに一瞬の不安も与えませんでした。3着は更に2馬身半差で2番人気(と言っても7対1もありましたが)のエターナル・バウンティー Eternal Bounty 。
デルモット・ウェルド厩舎、パット・スマーレン騎乗のサファイアは、前々走でノーブレス・ステークス(GⅢ、6月のコーク競馬場)も勝った馬。ノーブレスとギヴ・サンクスのダブルは、同馬が初めての快挙なのだそうです。今回3着のエターナル・バウンティーは、ノーブレスでは6着だった馬。力関係から見ても至極順当な結果でしょう。
サファイアはスピードのあるステイヤー、もちろん牝馬ですが愛セントレジャーに挑戦する計画。メルボルン・カップにも登録があり、陣営は来年も現役に留まる意向のようです。まだまだ成長が見込める4歳牝馬。
続いてフランスのドーヴィルに飛びますが、こちらも very soft というこれ以上は無いほどの不良馬場。短距離GⅠのモーリス・ド・ギースト賞 Prix Maurice de Gheest (GⅠ、3歳上、1300メートル)は1頭取り消して9頭立て。こちらもアイルランドに続き実力牝馬が底力を見せ付けています。
7対10の断然1番人気に支持されたムーンライト・クラウド Moonlight Cloud は、去年のこのレースの覇者。前走ロイヤル・アスコットのダイヤモンド・ジュビリー(GⅠ)でも、騎手の判断ミスがあったとは言いながら勝馬ブラック・キャヴィア― Black Caviar に僅差2着した実績。この不良馬場も死角にはなりそうもありません。
ということで、英国(ジョンソン=ホートン厩舎)から挑戦したザ・チェカ The Cheka の3番手に付けたムーンライト・クラウド、楽に抜け出して2着に飛び込んだウィズ・キッド Wizz Kid に5馬身差を付ける完勝でした。短距離戦での5馬身は、数字以上に迫力ある着差と言えましょう。頭差3着には最後方から一気にアメリカン・デヴィル American Devil が急襲しましたが、逃げたザ・チェカの進路を妨害した廉で4着に降着。替ってザ・チェカが3着に繰り上がりました。ダイヤモンド・ジュビリー3着したレスティアダルジャン Restiadargent が5着。
これで2連覇達成のムーンライト・クラウドは、フレディー・ヘッド厩舎、ティエリー・ジャルネ騎乗。ジャルネの2連覇はもちろんですが、ヘッド師は2006年から2008年にかけてマルシャン・ドール Marchant d’Or でも3連覇を達成。合計5勝は、このレースの最多勝利調教師でもあります。なおマルシャン・ドールは現在はミケール・デルザングレ厩舎に転じており、9歳の今年も出走していましたが8着。ヘッド時代のようなスピードは影を潜めているようです。
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