グッドウッド2010・4日目

昨日に続いてグローリアス・グッドウッドの4日目もパターン・レースは3鞍です。

先ずグローリアス・ステークス(GⅢ、4歳上、1マイル4ハロン)。去年このレースに勝ったイラストリアス・ブルー Ilustrious Blue は、今年は昨日行われたグッドウッド・カップを制しています。GⅢながら好メンバーに恵まれる一戦。

今年は10頭の登録がありましたが、3頭出しの予定だったゴドルフィンが2頭を取り消してしまいます。出れば1番人気になったはずのカヴァルリーマン Cavalryman にはデットーリが乗る予定でしたが、急遽残る1頭のフィスパリング・ギャラリー Whispering Gallery にスイッチ、アラン・ムンロが降ろされることになってしまいました。

最終的に8頭立て、5対4の1番人気にはハードウィック・ステークスでハービンジャー Harbinger の2着したダンカン Duncan が選ばれています。
(ハードウィックのレポートではスペルを読み間違えてダーカン Durcan としてしまいました。ここで訂正いたします)

レースはデットーリに乗り替わったフィスパリング・ギャラリーが逃げましたが、優勝は最後方を進んだレッドウッド Redwood 。2着には1馬身半差で同じく追い込んだスライ・プートラ Sri Putra が入り、更に1馬身4分の3差でトラフィック・ガード Traffic Guard が続きます。
本命のダンカンは、直線で抜けようとした時に外からスライ・プートラに寄られ、内の馬との間で挟まれて前が塞がる不利。結局はフラストレーションのたまる4着に終わりました。

勝ったレッドウッドはバリー・ヒルズ厩舎所属、マイケル・ヒルズ騎乗。
3歳時にダンテ・ステークスで気性面の難しさを露呈してしまい1年間休養を余儀なくされていた馬で、今シーズンはこれまでパターン・レースのみに出走し、5戦目にしての初勝利です。前走はニューマーケットのプリンセス・ウェールズ・ステークス2着、本来の能力は高い馬なのです。

2着のスライ・プートラは、既にGⅡ勝馬で3ポンドのペナルティーを背負っていました。前走はエクリプス・ステークスの2着でしたから、今年のメンバーもレヴェルが高いと見做して良さそうですね。

続いてリッチモンド・ステークス(GⅡ、2歳、6ハロン)。出走馬はコンパクトに6頭でしたが、2歳戦総なめのリチャード・ハノン厩舎が送り出すリブラーノ Libranno が5対4の断然1番人気。
レースもリブラーノのワンマンショーになった感があります。

スタートからスピードが違うと言わんばかりに先頭に立ったリブラーノ、そのまま2着ザ・パディーマン The Paddyman に1馬身4分の1差で逃げ切り勝ちです。更に1馬身4分の1差3着はゴドルフィンのロワイー Roayh の順。

リチャード・ハノン師とリチャード・ヒューズ騎手にとって、リッチモンドは3連覇となります。一昨年はプロリフィック Prolific 去年はディック・ターピン Dick Turpin 。

またグローリアス・グッドウッドで行われる2歳のパターン・レース3鞍の完全制覇は、7月初旬のニューマーケット・ジュライ・フェスティヴァルに続く快挙。以下に纏めれば、

ニューマーケット
 チェリー・ヒントン(GⅡ、牝、6ハロン) メモリー Memory
 ジュライ(GⅡ、6ハロン) リブラーノ Libranno
 サパラティヴ(GⅡ、7ハロン) キング・トーラス King Torus

グッドウッド
 モールコム(GⅢ、5ハロン) ゼベデー Zebedee
 ヴィンテージ(GⅡ、7ハロン) キング・トーラス King Torus
 リッチモンド(GⅡ、6ハロン) リブラーノ Libranno

これで十分でしょう。それでもハノン厩舎のエース格は、ロイヤル・アスコットでコヴェントリー・ステークスに勝ったストロング・スート Strong Suit です。
現時点での来年の2000ギニー人気上位4頭のうち、ハノン厩舎は3頭を占めます。リッチモンドに勝って3戦無敗のリブラーノは、1マイルにやや疑問があるものの、20対1というオッズで4番人気。

最後はオーク・トゥリー・ステークス(GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。1頭取り消しがあって9頭立て。
1番人気は1000ギニー先頭ながら2着降着のジャクリーン・クエスト Jacqueline Quest で15対8。

しかしジャクリーン・クエストは距離が不足なのか、一旦2番手に上がるも伸びず5着敗退。
優勝は16対1のトロピカル・パラダイス Tropical Paradise と波乱になりました。2着は4分の3馬身差でエリザベス女王の所有するゴールデン・ストリーム Golden Stream 、首差3着が逃げたピラ Pyrrha の順。

1着から3着は全て4歳馬が占め、3歳で最先着したのはクラシックには無縁だった4着のブルー・エンジェル Blue Angel 。古都師のクラシック・ジェネレーション牝馬のレヴェルに若干疑問を覚える結果となりました。

勝ったトロピカル・パラダイスはピーター・ウインクワース厩舎。騎乗したイアン・モーガンは不注意騎乗で2日間の騎乗停止処分を受けています。

ウインクワースは地元グッドウッドの調教師で、同馬はこれがパターン・レース初挑戦で初勝利。そろそろ引退を考えていた4歳の芦毛馬ですが、これで多少現役が延びるかもしれませんね。

ところでこの日、第5レースでリチャード・ヒューズ騎手がシーズン100勝に到達しました。騎乗したのはエリザベス女王のロイヤル・エクスチェンジ Royal Exchange という馬。ハイペースでリーディングを突っ走るポール・ハナガンを追います。

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