愛終戦

昨日、レパーズタウン競馬場で行われたキュラヴラン・ステークス(GⅢ、2歳、7ハロン)を以って、2010年アイルランド平場競走のスケジュールが幕を下ろしました。

先の土曜日にはイギリスでも2鞍の2歳戦が組まれていたこともあって、今年の出走馬8頭は全て地元アイルランドで調教されている馬たちです。
デルモット・ウェルド厩舎から3頭、エイダン・オブライエン厩舎が2頭、残り2頭はプレンダーガスト厩舎とワッチマン厩舎というメンバー。新馬戦を勝っただけの実績ながら、ウェルド厩舎のドバイ・プリンス Dubai Prince が4対9の圧倒的1番人気に支持されていました。

大本命のドバイ・プリンス、3番手からゴール前2ハロンで先頭に立ち、2着ウォーニング・フラッグ Warning Flag に3馬身半差を付ける大楽勝で期待に応えました。
更に1馬身4分の3差で3着にパーク・アヴェニュー Park Avenue の順。

2・3着は共にマイケル・テイバー氏の所有馬で、前者がワッチマン厩舎、後者がオブライエン厩舎の馬。オブライエン厩舎の主戦ムルタ騎手がワッチマン厩舎の馬に騎乗していたのは、これまでムルタがウォーニング・フラッグとコンビを組んできた関係でしょう。

勝ったドバイ・プリンスはシェイク・モハメド殿下の所有馬。一昨日のレーシング・ポスト・トロフィーを制したカサメント Casamento と同じですが、同馬も冬をドバイで過ごした後はゴドルフィンへの移籍が決まっているのも同じ。

ドバイ・プリンスの評価が高かったのは、一月前にゴウラン競馬場で新馬勝したときの2着馬が、レーシング・ポスト・トロフィーで2着したセヴィール Seville だったから。
カサメントとセヴィールの着差が4分の3馬身だったのに対し、ドバイ・プリンスとセヴィールの差は1馬身。単純な計算で能力を測ることはできませんが、カサメントとドバイ・プリンスは同格という見方も成り立つワケ。

ということからか、ドバイ・プリンスのダービーへのオッズに8対1を提示したブックメーカーも出てきました。このオッズはフランケル Frankel に続く2番人気ですから、この馬への期待が如何に高いかが判ろうというもの。

カサメントとドバイ・プリンスの共通点はそれだけではありません。両馬とも父がシャマーダル Shamardal であることにも注目が集まっています。

シャマーダルは2歳時にデューハースト・ステークス、3歳時には仏2000ギニー、仏ダービーの二冠を制し、ヨーク競馬場で行われた「ロイヤル・アスコット」のセント・ジェームス・パレスにも勝ってGⅠを4勝した名馬。ヨーロッパでは無敗だった若い種牡馬です。

去年の2歳が初産駒で、2009年度イギリスのファースト・シーズン・サイヤー第1位に輝き、初年度産駒から早くも自身と同じ仏二冠馬ロぺ・デ・ヴェーガ Lope De Vega を出してクラシック種牡馬の仲間入りを果たしました。
その2年目の代表産駒がカサメントとドバイ・プリンスなのです。2年連続でクラシック・サイヤーとなるか・・・。

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