二期会公演「魔笛」

昨日はオペラ観戦。初台の新国立劇場に「電車で」向かいます。新国立と言ってもここの主催公演ではなく、東京二期会の公演。読売日本交響楽団との共同主催でもあります。
(知りませんでしたが、ここは「新国立劇場オペラパレス」という名称だそうな。いつから変わったんでしょうね)

このプロダクション、私は2005年3月にも同じ新国立で見たことがあって、今回は二回目。実は都合で行けなくなった友人のピンチヒッターとして出掛けたものなのです。
4日間公演の初日、私が見た主なキャスト等は以下の通り。

モーツァルト/歌劇「魔笛」
 ザラストロ/小鉄和広
 タミーノ/小貫岩夫
 夜の女王/安井陽子
 パミーナ/増田のり子
 パパゲーノ/友清崇
 モノスタトス/羽山晃生
 弁者/多田羅迪夫
 魔木/寺田農(特別出演)
 その他(すみません。配役が多いので全部は紹介できません)
 合唱/二期会合唱団
 管弦楽/読売日本交響楽団
 指揮/テオドール・グシュルバウアー
 演出/実相寺昭雄

プログラムによると、実相寺演出の「魔笛」は今回が四度目の由。第1回は2002年2月の都民芸術フェスティヴァル(天沼裕子指揮)、第2回が2005年3月(下野竜也指揮)、そして前回は2007年7月(高関健指揮)なのだそうです。
同じ演出、しかも既に故人となった演出家の舞台が繰り返し上演されているということ自体、我が国のオペラ界では珍しい部類でしょう。

私が観た2005年の時点ではブログを立ち上げていませんでしたが、「招き猫」という掲示板サイトに投稿した記憶があります。細かいことは忘れましたが、賛否両論あった中で私は少数派の肯定組でした。
「魔笛」はジングシュピールである以上、場所を日本に移し、実相寺お家芸のウルトラ怪獣を登場させ、歌唱はドイツ語で台詞はダジャレをふんだんに取り入れた日本語で通し、エンターテインメントに徹したオペラ創りには何の違和感も感じなかったのです。

今回も感想は全く同じですね。もちろん歌手はほとんど入れ替わっていますし、指揮者も違います。演出も細かい点では変更もあったのでしょうが、基本的には同じ。一層の磨きがかかっていると思いました。

一言で言えば、日本ならではの名舞台。大いに「魔笛」を楽しめます。

歌手たちのレヴェルが高いのも特筆モノ。弁者だけは歌唱スタイルが古く、ここでは異質な感じがしましたが、適材適所でこれだけの歌が聴ける日本オペラ界の凄さに舌を巻きます。

特に夜の女王の安井陽子が抜群。多分私は初めて聴いた人ですが、客席の喝采が最も大きかったのは彼女。私も同感です。

シュミットのオラトリオで接したことのあるパミーナ/増田のり子も、透き通った声質が役にピタリと嵌っています。二人のディーヴァに絶賛を送りましょう。

もちろん男声陣が振るわなかったわけではありませんよ。3月に青髭で素晴らしい歌と「演技」を披露してくれたザラストロの小鉄和広、カプリッチョで難役を克服したパパゲーノの友清崇などなど、夫々の存在感を立派にアピールしていました。

グシュルバウアー指揮する読響もさすがです。マエストロは、パパゲーノをたしなめる場面では舞台にも参加、何よりもテンポ設定の見事さに老練のオペラ指揮者としての実力を発揮しました。

この日は多数のテレビ・カメラが入っていました。確かめませんでしたが、記録用のカメラではなく、いずれ放送されるのでしょう。読響主催でもありますから、日本テレビ系列でしょうか。

今回は6時開場で6時半開演。30分しか余裕がないので、プログラムは配役を確認するだけ。もう少し余裕を作ってくれませんかね。

お陰で帰りの電車は退屈しないで済みました。中でも金子一也氏の「イルミナティ仮説の中の『魔笛』」と題する小論文は興味深く、モーツァルト自殺説には中々の説得力があります。実相寺演出の「魔笛」とは関係ないと考えますが、これを読んでから舞台を見れば、あるいは感想も変わったものになったかも知れませんね。

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