ヤブラン

いま花の盛りを迎えているのがヤブランでしょう。公園、マンションや各種施設の庭の植え込み、個人宅でも古くからのお屋敷によく見かけますね。
都会で咲いているのは野生のものではなく、ほとんどが人間の手によって観賞用に植えられたものです。

本来ヤブラン(藪蘭)は、名前の通り山野の藪陰に生えているもので、園芸種でも帰化植物でもなく日本古来の原生種だと思います。

長い間不思議に思っていたのは、図鑑に掲載されているヤブランの葉は緑色なのに、都会に植えられているものの葉には斑(ふ)があること。葉の両側が枯れたように黄ばんでいて、中央の緑とツートンカラーになっているのです。

どうも斑入りヤブランは園芸用に作りだされたものだろう、ということに思い至りました。ところが手元の図鑑類にはこれに関する解説が無く、いま一つ謎に満ちた植物と言わざるを得ません。

今日は東京のヤブラン事情を調査すべく散歩コースを回って来ましたが、奇跡的に本来のヤブランを発見しました。行政区画では品川区西大井に相当しますが、一軒の個人宅の庭に下草として植えられていたのは間違いなく園芸種ではないヤブランでした。こういうこともあるんですねぇ~。

ヤブランは「蘭」と言いながらラン科ではありません。ユリ科のヤブラン属。何でも葉がシュンランに似ているからの命名の由。
夏の暑い頃から咲き出しますが、今頃の季節に最も淡紫色の花が目立ちます。

秋が深まると黒い玉のような種子が目立ってきますが、あたかも果実のように見えるのがヤブラン属の特徴だそうです。

学名は Liriope platyphylla リリオペ・プラティフィルラ。属名はギリシャ神話に出てくる水の妖精「レイリオぺー」に因んだもの。また種名は「葉が広い」という意味です。

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