フィーユ・ド・レール賞

昨日は11月11日。11月11日と言えばヨーロッパでは休戦記念日 Armistice Day です。
本来は第一次世界大戦の休戦を意味しましたが、現在では両大戦を含めて休戦記念日とされ、フランスでは国民の祝日。

近年では、毎年この日に行われることになっているパターン・レースがあります。それがフィーユ・ド・レール賞(GⅢ、3歳上牝、2100メートル)。
レース名の Fille de l’Air とは、19世紀のフランスで活躍した名牝の名。1902年に創設された当初はメゾン=ラフィット競馬場で行われましたが、距離や競馬場が度々変更になり、1921年からはサン=クルー競馬場のレースに定着し、1929年からは現在の距離である2100メートルとなりました。

パターン・レース・システムが導入された1971年からGⅢに格付けされていましたが、1997年から現在のトゥールーズ競馬場に移管されています。
トゥールーズは所謂フランスの地方競馬に分類されますが、このレースはトゥールーズで開催される唯一のパターン・レースでもあります。

時期を反映して、今年は不良馬場に14頭が揃いました。

この混戦を制したのは、スペインから遠征してきた61対10のシネルジー Synergy 。1馬身半差2着にカヴァリエール Cavaliere が入り、ハナ差3着にアルパイン・スノー Alpine Snow の順。
7対2の1番人気に支持されたレインボウ・ダンシング Rainbow Dancing は6着に敗退しています。

勝ったシネルジーは、マドリッドを本拠にするヤン・デュレペール Yann Durepaire 調教師の管理馬。師にとってこれがパターン・レース初勝利となります。
嬉しさ一杯のデュレペール師、“まるでブリーダーズ・カップに勝ったみたいだ!” とのはしゃぎ様でした。

シネルジーは一般戦に3連勝したあと、ドーヴィルのジャン・ロマネ賞(GⅠ)でパターン・レースに初挑戦して5着。昨日はそれ以来のレースでした。

騎乗したオリヴィエ・ペリエは先行する馬群の直後で待機、ゴール前300メートルで先頭に立つ安定した騎乗で勝利をものにしています。ペリエにとっても、これがフィーユ・ド・レール初勝利。

なお、この日はスペインにとって吉日。別の調教師がリステッド戦にも勝って花を添えました。

これでフランスのパターン・レースも残り一鞍。この週末が長いシーズンのフィナーレとなります。

 

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