今日の1枚(137)

昨日に続いてメンゲルベルクのベートーヴェン全集の2枚目です。昨日は書き忘れましたが、もちろんオーケストラはコンセルトへボウ管弦楽団。

①ベートーヴェン/交響曲第2番
②ベートーヴェン/交響曲第4番

別資料では、①は1940年4月21日の演奏。②は1940年4月25日の演奏。この資料によると、第2は第6と、第4は第7と同じ日に演奏されたそうです。

当盤の個別番号は、468 632-2 。

この全集は、第3交響曲を除いては全て1940年の4月から5月にかけて開催されたベートーヴェン・ツィクルスの記録ですから、音質は同一です。
それでも第2が優秀と評して良いのに、第4の冒頭5小節ほどは音が荒れており、まるで波長の合っていないラジオ放送のよう。恐らく源盤の保存状態が良くなかったからなのでしょう。

①も第1交響曲同様、メンゲルベルクとしては極めてストレートな表現。初期の交響曲にはあまり手を加えないのが彼のスタンス、いや師であるヴュルナーの教えだったのかも知れません。

繰り返しはここでも全て実行しています。第3楽章主部の再現では繰り返ししないのは現行のスタイルに同じ。

②は、上記のように冒頭こそ聴き辛いものの、その後は快調です。この曲の繰り返しも全て実行。

第4交響曲にもメンゲルベルク特有のスコア改訂がありますが、基本は提示部と再現部の扱いに整合を持たせるのが目的。第1楽章提示部、176小節にティンパニを追加するのも、再現部の同じ箇所(450小節)と合致させるためでしょう。

第1楽章提示部のコーダでは、183小節に低弦の和音を追加するのも聴きどころ。

また290小節の3拍目の音を半音上げるか下げるかは指揮者によって見解が分かれるところですが、メンゲルベルクはシ♯を採用、少数派に属するでしょうか。
350小節の4拍目にティンパニを追加するのはメンゲルベルク独特、かと思われます。

第3楽章の開始では、当セットでは珍しく“カチカチ”が残されてます。

第4楽章には目立った改編は無いと思いますが、119小節の後でチョッとしたパウゼが置かれているのが特徴と言えば、特徴でしょうか。

参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.8
②ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.10

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