今日の1枚(14)

昨日の日記に書き忘れましたが、昼頃近くの小さな神社に初詣した帰り、自宅近くでウグイスを目撃しました。もちろん鳴き出すにはまだ風が冷たいけれど、姿を見るのは珍しいことでしょう。
今日の1枚はトスカニーニのモーツァルトです。一応今日でトスカニーニ・シリーズは中断。明日からはもう少し新しいものを聴きましょうか。
RCAのトスカニーニ・ベスト・セレクション、BVCC-38017(74321-45619-2) 。

①モーツァルト/交響曲第39番変ホ長調K543
②モーツァルト/交響曲第40番ト短調K550
③モーツァルト/交響曲第41番ハ長調K551「ジュピター」

いわゆる三大交響曲、録音データは、
①1948年3月6日 NBC 8-H スタジオ(NBC放送録音)
②1950年3月12日 NBC 8-h スタジオ
③1945年6月22日と1946年3月11日(第2楽章のみ) カーネギーホール

3曲に共通しているのは、原則として繰り返しは第3楽章以外は省略していること。例外は39番第2楽章の最初の繰り返しと40番第1楽章提示部の繰り返しで、この2箇所は実行しています。
もう一つ、どれもトスカニーニの唸り声が収録されていることも。トスカニーニは演奏中に声を出す指揮者の代表的な一人でしょう。
40番はクラリネットを加えた第2稿。

録音は3曲にかなりバラツキがあって、「ジュピター」はカーネギーホールの残響を処理し切れておらず、特に終楽章はかなり聴き辛くなっています。
第2楽章だけ2年近く後のテイクに差し替えられていますが、気の所為か幾分改善されている感じ(そもそも静かな楽章ですからね)。
一般にトスカニーニのディスクはNBC 8Hスタジオの録音が固く、カーネギーホールのものが優れているという評価ですが、このディスクは全く逆。もちろん録音年代によるところ大ですが。
これに比べれば39番は大分改善されていますが、40番になると音自体がずっと柔らかく収録されていて、この3曲ではベスト。

こういうディスクは何も収録順に聴く必要はなく、録音年月日の古い順に視聴した方が満足度が高くなります。人によりけりでしょうが、私は後に行くほどグレードが上がっていく聴き方により満足感を覚えますね。
従って、③→①→②の順にセットして聴くことを薦めます。
演奏はどれも第一音からトスカニーニと判るもの。ジュピターの第2楽章は明らかに三つ振りでしょう。
39番のメヌエットは超快速。ハイドンの「吃驚」に通ずるところがあります。
40番はレガートをたっぷり効かせた演奏。メヌエット楽章のトリオでは弦楽器のメンバーを減らして演奏しているような気がします。第1ヴァイオリンは2プルトくらいじゃないでしょうか。

参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.56
②ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.27
③ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.6

全般的にモーツァルトのスコアは、ハイドンほどには問題が無いようです。

 

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