今日の1枚(150)

「トスカニーニ・ベスト・セレクション」、続いて第4集を聴きましょう。

①ベートーヴェン/交響曲第3番
②ベートーヴェン/交響曲第4番

録音データは、

①1953年12月6日 カーネギーホールにおけるNBC放送録音
②1951年2月3日 カーネギーホールにおけるNBC放送録音

品番は BVCC-9914 。昨日の第3集と同じ1997年3月発売の一品。当盤のオリジナル・ジャケットはトスカニーニの肖像画。オールド・ファンには懐かしいジャケット・デザインでしょう。

前回の第1・第2交響曲とは違って、①②ともにセッション録音ではなく、聴衆を入れた放送録音。客席ノイズもありますし、微少ながらライヴ演奏では避けられない演奏ミスもそのまま収録されています。

①のLP初出は、HMVの ALP 1008 。敢えて「新版」と表記されていますから、当時旧録音も普通に出回っていたことが偲ばれます。それほどにトスカニーニの英雄は定評があった、ということ。

一方②は前回も紹介したように第2交響曲とのカップリングで出たのが最初。ALP 1145 がその番号で、WERMには1951年2月3日の放送録音という注意書きも見られます。

①はトスカニーニのあらゆる録音の中で最も音質的に優秀な録音。当時のモノラル録音の最高峰と言っても過言ではないでしょう。
トスカニーニの演奏もキリリと引き締まり、正に「英雄交響曲」に相応しい名盤。

第1楽章提示部の繰り返しは省略。展開部の sf が連続する場面、第254~259小節にかけての木管楽器に金管を重ねて sf を強調しているのが聴かれます。
また、有名な657~662でトランペットを重ねる技も実行しています。

トスカニーニは第1楽章と第2楽章の間、更に第2楽章と第3楽章の間をあまり開けなかったようで、客席の咳払いが夫々の楽章の頭に被る傾向があります。現在ではライヴ録音が普通になりましたが、LP発売当時はこれを気にする人があったかも知れませんね。

第3楽章の繰り返しは全て実行。トリオの繰り返しの1番括弧で、ホルンが音を切らずにスラーで繋げているので、聴き慣れている人には違和感があるかも。

第4楽章、各変奏の繰り返しは当然ながら全て実行しています。

第3交響曲ではメンゲルベルクが様々にオーケストレーションに手を入れているのに対し、トスカニーニは極く一部を除いてはオリジナル通りに演奏しているのが目立ちます。トスカニーニは楽譜に忠実、という評判はこの音盤から生まれたものでしょうか。

②は、トスカニーニの新全集の中ではやや録音の古さを感じさせます。特に当盤の冒頭は荒れた感じでやや聴き辛いかも知れません。
しかし逆に演奏の熱の入り様は凄まじいもので、特にチェロやコントラバスの擦過音の生々しさは特筆モノ。トスカニーニのベートーヴェンでも最高レヴェルの名盤だと思います。

第1楽章の繰り返しは省略。第176小節にティンパニを加えるのはメンゲルベルクも実行していました。

第2楽章再現部、第82小節でクラリネットの付点音符を8分音符二つに変えているのは、提示部と整合させるため。同様の処置は第2交響曲の第2楽章でも聴かれた変更です。

第3、第4楽章の繰り返しは実行。

参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.9
②ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.10

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