今日の1枚(77)

ウィルヘルム・フルトヴェングラーの音盤、やっとシューベルトに辿り着きました。東芝EMIの TOCE-3748 。
①シューベルト/交響曲第8番ロ短調「未完成」
②シューベルト/劇音楽「ロザムンデ」序曲
③シューベルト/劇音楽「ロザムンデ」間奏曲第3番
④シューベルト/劇音楽「ロザムンデ」バレエ音楽第2番
全てフルトヴェングラー指揮ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏、ウィーンのムジークフェラインザールに於ける正規スタジオ録音です。録音日付は、
①1950年1月19~21日
②1951年1月3日と17日
③④1950年2月2日
例によってプロデューサー等の名前は記載されていません。ほぼ同じ時期の録音ですが、SP用の録音で、最初からシューベルト作品集を企画したものではなさそうですね。
初出は、①がHMVの DB 21131/3 の3枚6面。③と④が DB 21192 の両面に収録されていました。
ところが②は明らかにSP録音なのですが、SPとして発売された形跡が見当たりません。少なくともWERMには記載が無いようです。
ブックレットの解説には、その辺の事情に付いて一切の記載がありません。
日本では全て最初からLPとして発売されたような記憶があります。当盤のカバーは、その時のオリジナルを使用していると思われますね。
録音時期が近いだけあって、どれも同じレヴェルの録音。いかにもSP後期としては標準的な出来栄えだと思います。
① 第1楽章の繰り返しは省略。
② SPの繋ぎ目が2箇所ハッキリと確認できる録音。
③と④は繰り返しを全て省略し、1曲が片面に収まるように纏めています。③が4分47秒、④は4分51秒。
特に④では、主部が回帰したあと、最後まで演奏せずに途中で切り上げてしまうという荒業を駆使しています。
具体的に言うと、ダル・セーニョの位置を楽譜の指定より2小節後にし、66小節まで進んだところで突然11小節に戻り、第18小節で終止に持って行ってしまうのですね。
いくら収録時間の制約があるとは言え、これはやり過ぎではないでしょうか。
参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.2
②③④ブルード・ブラザース BB626(全曲版)

 

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