今日の1枚(166)
暫く他が忙しくてレコード鑑賞はお休みしていました。どうしても所詮は録音という気持があるので、このコーナーは後回しになってしまいます。
引き続きBMGジャパンの「トスカニーニ・ベスト・セレクション」で、第23集。フランス近代音楽のアルバムで、ドビュッシーとラヴェルの演奏を集めた BVCC-9933 です。
①ドビュッシー/交響詩「海」
②ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
③ドビュッシー/イベリア~管弦楽のための「映像」より
④ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
録音データは、
①1950年6月1日 NBC8-Hスタジオ
②1953年2月14日 及び2月13日のリハーサル カーネギーホール
③1950年6月2日 NBC8-Hスタジオ
④1949年11月21日 カーネギーホール
お判りのように、①と③は同じ時期のテイク。後で書きますが、最初からLP盤を意識しての収録でしょう。
WERMによると、①のみが先ずSPで発売されたようです。SPとしては最後の頃で、HMVの DB 21453/5 という3枚6面。これがどの位売れたのかは知りませんが、直後にLPでも出ています。
こちらはヴィクターの LM 1833 という品番で、組み合わせは①と③でした。
共にトスカニーニとしても最も音質の優れた録音で、当時のハイファイ盤と言えるでしょう。
①の第3楽章、練習番号59の4小節目からの金管ファンファーレはドビュッシーが削った版、デュランから決定稿として出版された譜面による演奏。
②は、当盤にはクレジットされていませんが、恐らく放送用の録音と思われます。客席のノイズが聞こえますし、WERMにも発売の記録はありません(1955年までの記録)。
③は上記のように①と並行して行われた録音で、この2曲がLP初出の際のカップリングでした。
第2曲「夜のかおり」の最後、2度に亘ってフルートとヴァイオリン・ソロが主題の断片をユニゾンで出しますが(51の7~9と、52の3~5)、私の耳にはフルートだけ、ヴァイオリン・ソロは削除しているように聴こえます。
④は当盤の中では最も古い収録。セッションによるSP録音で、初出はヴィクターの DM 1374 。4面に収録されたもので、注意して聴くと盤の繋ぎ目が判ると思います。
もちろん、全曲版の合唱部を一部金管楽器に置き換えた「組曲版」による演奏。
参照楽譜
①デュラン D&F 6838
②オイレンブルク No.1116
③デュラン D&F 7723
④デュラン D&F 7937(バレエ全曲版)
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