今日の1枚(167)
「トスカニーニ・ベスト・セレクション」第24集、BVCC-9934 はトスカニーニとしては珍しいレパートリーでしょう。
①シベリウス/交響曲第2番
②シベリウス/交響詩「ポヒョラの娘」
③シベリウス/トゥオネラの白鳥
④シベリウス/交響詩「フィンランディア」
データは、
①②1940年12月7日 NBC放送録音 NBC8-Hスタジオ
③1944年8月27日 NBC放送録音 NBC8-Hスタジオ
④1952年8月5日 カーネギーホール
④以外は放送用の録音で、SPで出たことも、LP初期にも発売された記録はありません。
④のみはLP期のセッション録音で、初出はHMVの ALP 1235 、管弦楽名曲集という趣の1枚に含まれていました。カップリングはベートーヴェンのエグモント序曲、ブラームスのハンガリー舞曲集、ベルリオーズのローマの謝肉祭、エロールのザンパ序曲、ポンキエルリの時の踊りなどでした。
①と②は同じ日の放送用演奏会のライヴで、①の最後には拍手も収められています。よほど共感を呼んだ演奏だったようで、当時としては盛大な歓声も挙がっていますね。シベリウスは当時も今もアメリカでの人気は今一つだと思いますが、北欧の作曲家の真価を正す絶好の機会だったのでしょう。
④はセッション録音だけに、音質は最高水準の出来栄え。最新のステレオ盤を遥かに凌ぐ生々しい臨場感が聴きどころでしょう。
ティンパニの皮の振動、ファゴットの低音が震わす空気感、濡れたような金管の響きなど、現在でも堂々たる現役盤です。
アレグロに入って直ぐ、練習記号F直前のティンパニの fz の位置が少し違うのと、Fの繰り返しの二度目では最後の2小節をカット(Hの前2小節)しているのがスコアと異なる個所です。
参照楽譜
①ブライトコプフ&ヘルテル Nr.3323
②ロベルト・リーナウ S 9388
③ブライトコプフ&ヘルテル Nr.3327
④ブライトコプフ&ヘルテル Nr.3318
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