3度目の正直なるか、ペネロープ賞

昨日、フランスのサン=クルー競馬場でペネロープ賞 Prix Penelope (GⅢ、3歳牝、2100メートル)が行われました。オークスに向けてのトライアルとなる一戦です。

出走馬は僅かに5頭。8対5の1番人気に支持されたドント・ハリー・ミー Don’t Hurry Me が他を寄せ付けず、逃げ切って期待に応えました。
1馬身半差2着に追い込んだピリカ Pirika はシーズン初戦だっただけに、将来に繋がるレース振りだったと言えるでしょうか。更に3馬身離された3着がスカレット Skallet 。

勝ったドント・ハリー・ミーは2歳時3戦2勝。今シーズンは既にサン=クルーのリステッド戦で2着しており、使われた強みがあったのも事実です。
同馬を管理するのはジャン=クロード・ルジェ師、鞍上のイオリッツ・メンディザバルとのコンビでペネロープ賞は3勝目を記録しました。メンディザバルは火曜日にロンシャンで落馬し、未だ治療中の身ながらガッツを利かせての勝利です。

このレースはオークス・トライアルの意味を持ちますが、仏オークスに勝った馬は1976年のポーニーズ Pawneese 以来出ていません。
ルジェ/メンディザバルのコンビは、これまで2004年のアスク・フォー・ザ・ムーン Ask for the Moon 、2006年のジェルマンス Germance でペネロープを制していますが、両馬の仏オークスでの成績は夫々7着、2着。徐々に着順を上げてきていますから、今年こその想いは強いでしょう。陣営では仏オークスに直行する予定です。

もう一つ、ドント・ハリー・ミーは父ハリケーン・ラン Hurricane Run の初産駒であることにも注目。ハリケーン・ランはキング・ジョージと凱旋門の両GⅠを制覇したエリートの一頭で、同じ偉業を達成しているモンジュー Montjeu の後継として期待されている種牡馬。
去年はGで入着したコチャバンバ Cochabamba (ロックフェル・ステークス2着とプレスティージ・ステークス3着)とクリーム Kreem (コンデ賞3着)を出しましたが、パターン・レースに勝ったのはドント・ハリー・ミーが最初です。繋養地であるアイルランドのクールモア・スタッドからも熱い視線が注がれているでしょう。

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