サドラーズ・ウェルズの弔い合戦

昨日の朝、訃報が飛び込んできました。不世出の大種牡馬サドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells が火曜日(4月26日)、30歳で大往生を遂げたのです。
30歳と言えば人間に譬えれば100才にもなろうかという年齢、その日が近いことは予測できましたが、現実に起きてみれば感慨深いものがあります。過去に名馬、名種牡馬は少なくありませんが、サドラーズ・ウェルズ以上に現代の競馬に最も大きな影響を与えている馬はいないでしょう。

その翌日、アスコット競馬場で行われたサガロ・ステークス Sagaro S (GⅢ、4歳上、2マイル)にはサドラーズ・ウェルズ系の有力馬が揃い、意味は正確ではありませんが、弔い合戦の様相を呈していました。

good to firm の馬場、1頭取り消しがあって7頭立て。うち3頭は、サドラーズ・ウェルズの後継種牡馬であるモンジュー Montjeu とガリレオ Galileo の仔、更にバラセア Barathea からトゥブー Tobougg を経た曾孫が2マイル戦を争います。
2対1の1番人気に支持されたのは、出走馬中唯一の明け4歳馬セオロジー Theology (ガリレオ産駒)。1勝馬ながら去年のセントレジャーで7着した成長株です。

実はこのレースの3週間前、ノッティンガム競馬場で行われたファーザー・フライト・ステークス(14ハロン)で上位を争った4頭がここにも参戦し、ノッティンガムの再戦という趣もありました。

レースはノッティンガム同様アクマル Akmal が先行し、エリザベス女王の所有馬フリー・エージェント Free Agent (ノッティンガムはハナ差2着惜敗)が2番手追走で直線へ。ノッティンガムでは3着に終わったアスカー・タウ Askar Tau (モンジュー産駒)が楽に3番手に付け(ジョージ・ベイカー騎手)、直線で先行馬を捉えて優勝。
2馬身半差で逃げたアクマル、首差3着にフリー・エージェントの順。ノッティンガムで優勝したザ・ベッチワース・キッド The Betchworth Kid (トゥブー産駒)は今回は4着に終わりました。
1番人気のセオロジーは荷が重かったか6着(結果どん尻)に敗退、ラジク Rajik は前半で競争を中止しています。勝ったアスカー・タウは4対1の3番人気でした。

アスカー・タウを調教するのはマーカス・トレゴニン。師によれば、同馬には良馬場が必須で、今期の最大目標はアスコット・ゴールド・カップ。それ以外はあくまでも馬場状態次第だそうです。ゴールド・カップには16対1のオッズが出されました。
アスカー・タウにとっては2009のドンカスター・カップ(GⅡ)以来の勝利。昨シーズンは何故か成績振るわず、去年のサガロ・ステークスは8着、秋のカドラン賞(GⅠ)は今週の天皇賞に参戦するジェントゥー Gentoo の5着に終わっていました。
4歳時の実力を取り戻せば、ゴールド・カップの有力候補であることは間違いないでしょう。

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