グローリアス・グッドウッド2012・3日目
グッドウッド3日目のパターン戦は3鞍、レース順に紹介します。この日も馬場は good 、馬にとっては最も走り易い状態でしょう。出走取り消しも出なかったようです。
最初はリッチモンド・ストークス Richmond S (GⅡ、2歳、6ハロン)。8頭立て。前走ジュライ・ステークス3着のアハーン Ahern が15対8の1番人気に支持されていましたが、スタートがあまり良くなく後方のまま、7着に敗退してしまいます。
優勝は、逃げ馬を早目に捉えて抜け出した4番人気(9対1)へヴィー・メタル Heavy Metal 。外から迫る2番人気(3対1)マスター・オブ・ウォー Master Of War を半馬身抑えました。3着は2馬身差で本命アハーンと同じ馬主の(厩舎は違いますが)キー・ヴェーディ Cay Verde 。
リッチモンドはリチャード・ハノン師が4連覇中でしたが、今回は2着。連勝を阻止したのはマーク・ジョンストン厩舎、ジョー・ファニングの騎乗です。ジョンストン師はこのレース、2001年のミスター・コスミ Mister Cosmi 以来の2勝目となりました。
へヴィー・メタルはダービー当日のウッドコート・ステークス(リステッド)で2着、そのあとコヴェントリー・ステークス(GⅡ)11着、ジュライ・ステークス(GⅡ)ドン尻7着と成績が上がりませんでしたが、馬場が回復したここでは本来の力を発揮したと見るべきでしょう。クラシックというよりスプリント・タイプの馬と思われれます。
続いては伝統のグッドウッド・カップ Goodwood Cup (GⅡ、3歳上、2マイル)。10頭立て。去年の勝馬で今年のゴールド・カップでも2着したオピニオン・ポール Opinion Poll は出走してきませんでしたが、ゴールド・カップ1・3着馬が揃って出走、レヴェルの高い戦いが期待されます。
1番人気(2対1)に支持されたのは、ゴールド・カップ3着のサドラーズ・ロック Sadler’s Rock の方。前走は馬場も得意ではなく、レース内容にも不利があったことで、ここは雪辱が期待されていました。ゴールド・カップを制したカラー・ヴィジョン Colour Vision は5対2の2番人気。
レースはチベルタ・キング Chiberta King が逃げ、直後にエレクトロライザー Electrolyser 、やや離れてサドラーズ・ロック3番手。これをマークするようにカラー・ヴィジョンが付ける展開。
先行2頭が渋太く粘る中、先手を取ったサドラーズ・ロックが抜けて安全圏。後方馬群も差無く追い上げましたが、1馬身差2着には伏兵(25対1、7番人気)アスカー・タウ Askar Tau が突っ込み、4分の3差でカラー・ヴィジョン3着。逃げた2頭も、エレクトロライザー4着、チベルタ・キング5着と、共に健闘しました。
ジョン・オックス厩舎、ジョニー・ムルタ騎乗のサドラーズ・ロックは、去年3歳でドンカスター・カップを制した馬。現在では余り騒がれなくなった長距離3冠(アスコット、グッドウッド、ドンカスター)にも王手が掛かった形です。未だ4歳、来年も挑むゴールド・カップには3対1のオッズが出されています。
この後はヨークのロンスデール・カップ、ドンカスター・カップの連覇、渡仏してのカドラン賞が予定されている由。
この日最後のG戦はリリー・ラングトリー・ステークス Lilly Langtry S (GⅢ、3歳上牝、1マイル6ハロン)。12頭の混戦で、1番人気(3対1)には2頭が並びます。前走ニューバリーのリステッド戦(13ハロン)に勝ったハワフェズ Hawaafez と、ロイヤル・アスコットでエリザベス女王にクィーンズ・ヴァース(GⅢ)をプレゼントしたエスティメイト Estimate 。
人気の一角ハワフェズが先行して逃げ切りを図り、エスティメイトは5番手待機。両馬共最後まで優勝争いに絡みましたが、抜け出したのは7番手に待機し大外を突き抜けた3番人気(6対1)のワイルド・ココ Wild Coco 。2馬身4分の3差には、内に包まれながらも外に持ち出してゴール前急襲したフランスの伏兵(25対1、9番人気)ジェハンヌダルク Jehannedarc 。頭差でエスティメイト3着、1馬身4分の1差でハワフェズ4着。人気馬は夫々に好走したと言えるでしょう。
サー・ヘンリー・セシル師とトム・クィーリー騎手に開催4勝目をプレゼントしたワイルド・ココは父にシロッコ・スター Shirocco Star を持つドイツ産馬。実は去年のこのレースに1番人気で臨みながら5着に敗退していました。そのあとリステッド戦でも8着に終わって休養。今回は去年8月以来の復帰戦に当たっていました。
ジックリ調整して馬を立て直し、前年の雪辱を果たしたセシル師の腕は流石と感服せざるを得ません。
一方2着に来て観客を驚かせたジェハンヌダルクはアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ師の管理馬。フランスの長距離戦はスローペースになってしまい、この馬には合わないことに業を煮やしての挑戦とか。秋のアスコット・チャンピオン・シリーズにも再挑戦することを宣言していました。
ここまでグローリアス・グッドウッドをレポートしてきましたが、これから猛暑を避けて東京を離れます。4日目以降の結果、及び週末のドーヴィルなどは纏めて来週の頭にでも紹介する予定。では、
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