レパーズタウンのイヴニング開催

昨日はアイルランドのレパーズタウン競馬場でイヴニング開催があり、二つのパターン・レースが行われました。今夏のヨーロッパは天候不順、連日の雨で気温も上がらず、馬場状態も soft 所により yielding と発表されていました。

先ずは韓国競馬会がスポンサーとなったタイロス・ステークス Tyros S (GⅢ、2歳、7ハロン)。このレースは後にGⅠクラスに成長した馬が制することが多く、見逃せない一戦。アイルランドを代表するジム・ボルジャー厩舎が8勝、エイダン・オブライエン厩舎は7勝を記録しており、今年も両陣営が送り込む馬に注目が集まっていました。
1頭取り消して6頭立て。テオフィロ Teofilo やニュー・アプローチ New Approach を輩出したボルジャー厩舎の期待はパリッシュ・ホール Parish Hall で3対1の2番人気、リップ・ヴァン・ウィンクル Rip Van Winkle やケープ・ブランコ Cape Blanco で制しているオブライエン厩舎のテンス・スター Tenth Star が1対2の1番人気に支持されていました。

レースはボルジャー厩舎のペースメーカー役チアフル・ギヴァー Cheerful Giver が逃げ、1・2番人気は2・3番手を追走する流れ。直線、馬場の悪い内ラチ沿いにパリッシュ・ホールが抜け出して先頭。テンス・スターは馬場のいくらか良い外に持ち出しますが、馬場に脚を取られてか伸び脚は今一つ。
そこに襲い掛かったのは、更に外を回った7対1の伏兵リメンバー・アレキサンダー Remember Alexander 。出走馬中唯一の牝馬で、これまで2戦未勝利だった存在です。レース前の人気を嘲笑うようにパリッシュ・ホールに4馬身差を付ける圧勝。テンス・スターは更に2馬身遅れの3着に終わりました。コースの内外大きく離れたゴール前で、着差が開いたのもその所為かもしれません。

勝ったリメンバー・アレキサンダーはジェシカ・ハリントン夫人の管理馬、ジョニー・ムルタ騎乗。ハリントン女史にとってはタイロス・ステークス初勝利となります。
また1・2着馬の父はいずれもテオフィロ、父子制覇の上にワン・ツー・フィニッシュという結果でもありました。

もう一鞍は、トルコ競馬会がスポンサーのメルド・ステークス Meld S (GⅢ、3歳上、1マイル1ハロン)。最終登録は6頭でしたが重馬場を嫌って2頭が取り消し、寂しい4頭立てになってしまいました。
4対9の断然1番人気は、前年のこのレースの覇者でレパーズタウン競馬場を得意にしている6歳馬フェイマス・ネーム Famous Name 。他馬より3ポンド重いペナルティーを背負っていましたが、この日の相手は既にこの重量差でも決着が付いていることもあり、ペナルティーは問題にならないとの診断です。

レースはオブライエン厩舎のヤン・フェルメール Jan Vermeer が飛ばし、内ラチ沿い一杯を通って逃げ切りを図ります。本命フェイマス・ネームは冷静そのもの、馬場の良い中央を通って抜け出すと、追い縋る2番人気の3歳馬ダンボイン・エクスプレス Dunboyne Express (先日の愛ダービー5着馬)に4馬身半差を付ける快勝です。
更に5馬身半差で3着にクリークサイド Creekside 、逃げたヤン・フェルメールは4着しんがり負け。

デルモット・ウェルド師が管理、パット・スマーレン騎乗のフェイマス・ネームは、これでこのコース12戦9勝。陣営(カーリッド・アブダッラー所有)としてはGⅠを取らせたい思いで、このあとは得意な重馬場が期待できるドイツのGⅠ戦を狙う意向だそうです。

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