2000ギニーの本命出現

昨日は8月最終日、サンダウン競馬場でG戦が2鞍行われました。また夏が戻ったような天候で、馬場は good to firm 。

先ずはソラリオ・ステークス Solario S (GⅢ、2歳、7ハロン16ヤード)。僅かに4頭立て、内2頭はゴドルフィンの所有馬でしたが、2対7の圧倒的1番人気に支持されたのは、ハーリッド・アブダッラー殿下の持ち馬キングマン Kingman 。デビュー勝ちの鮮やかさから早くも来年の2000ギニー本命と噂されている1頭です。
レースは2番人気(9対2)でゴドルフィンの一角ミュージック・セオリー Music Theory が逃げ、キングマンは最後方4番手で待機。しかし格が違うとばかり、残り2ハロンで前に並び掛けたキングマン、後はムチを使うことなく2着以下に2馬身差の楽勝で人気に応えました。2着争いはゴドルフィンの2頭で、頭差でエミレーツ・フライアー Emirates Flyer が先着、ミュージック・セオリーが3着でした。2着はスロール厩舎、3着はアップルビー厩舎です。

勝馬を管理するジョン・ゴスデン師は、このレース10年間で3勝目。また騎乗したジェームス・ドイルは、先日アブダッラー殿下の主戦騎手に抜擢されたばかりで、今回が初の大仕事でした。日本ではジョッキーは厩舎に所属するのが常識ですが、ヨーロッパではオーナーと専属契約を結ぶのも普通にあること。厩舎を超えてオーナーの馬に騎乗することになります。
キングマンは、前走デビューとなったニューマーケットの7ハロン新馬戦で6馬身差の圧勝を演じ、いきなり2000ギニーの本命に浮上。今回は2馬身差と普通の着差でしたが、内容は遥かに上。2000ギニーのオッズは5対1に上がりました。陣営では、次走はフランスのグラン・クリテリウムかデューハーストとのこと。来年は1マイルから1マイル4分の1が守備範囲との考えのようです。ギニーでこの馬を負かすのは余程強い馬、と相当な自身もちらつかせました。
血統的にも注目の1頭で、母ゼンダ Zenda は仏1000ギニーを制した馬、また半兄リモート Remote も今年のロイヤル・アスコットでGⅢ(ターセンテナリー・ステークス)に勝っており、エリート中のエリートと言えるでしょう。

続いてはアタランタ・ステークス Atalanta S (GⅢ、3歳上牝、1マイル14ヤード)。2頭取り消して9頭立て。13対8の1番人気には、3歳馬でこれが未だ4戦目のインテグラール Integral が選ばれていました。このレースを既に5勝、去年もダンク Dank で制しているサー・マイケル・スタウト師が送り込んでいるということも人気の要因でしょう。
レースは逃げた3番人気(7対1)レディーズ・ファースト Ladys First と最後方を進んだインテグラールの一騎打ち。残り400メートルから激しい叩き合いが繰り広げられ、残り1ハロンではインテグラールが半馬身ほど抜けたものの、レディーズ・ファーストが差し返し。ゴール板では2頭のハナが並んでの入線。結局は2頭の同着と発表されています。3着は1馬身4分の3差でゴドルフィンのシュルーク Shuruq 。

インテグラールは上記の様にスタウト厩舎、ライアン・ムーア騎乗。今年のデビューで、2連勝で臨んだナッソー・ステークス(GⅠ)は7着だったものの、4戦目でG戦初勝利。
一方レディーズ・ファーストは、リチャード・ファヘイ厩舎、トニー・ハミルトン騎乗の4歳馬。これまでパターン・レースに何度も挑戦して好走してきましたが、勝ったのは今回が初めてです。

なお、この2頭には共通点がありました。共に母の父がデインヒル Danehill であること。

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