レパーズタウンのイヴニング開催

今の時期、北半球はいわゆる白夜です。日本では日が長くなったと言ってもせいぜい日の入りが午後7時ですが、緯度の高いイギリスやアイルランドでは、サマータイムによる1時間があるとは言え、午後11時過ぎても外は明るいですね。
ですから競馬も通常の午後の開催が終わった後、夕方から夜遅くまでレースが行われる開催も組まれています。
日本では俗にナイター競馬とかトゥインクル・レースなどと呼ばれますが、大井競馬場などて行われているのは照明を煌々と点けたコストの掛かるもの。対して英愛のそれは降り注ぐ太陽の光の下での競馬、Evening Meeting と称するようです。
売れっ子騎手になると、昼の通常開催が終わった後はイヴニング開催へ。どの競馬場にもヘリポートがあって、騎手は競馬場から競馬場にヘリコプターで移動して行きます。チョッと日本では見られない光景、夏のイギリス競馬の風物詩でもありましょう。
昨日はアイルランドのレパーズタウン競馬場でイヴニング開催があり、パターン・レースが一鞍組まれていました。
この開催は第1レースが18時スタート、最終の第7レースは21時スタートですから、競馬が終わっても明るい内に帰宅できる時間帯。
パターン・レースは第2レース、18時30分スタートのシルヴァー・フラッシュ・ステークス(GⅢ、2歳牝、7ハロン)。去年からGⅢに格上げされたチョッと耳慣れないレースです。
当初6頭が登録していましたが、直前で1番人気になると思われたオブライエン厩舎のフェイマス Famous が取り消し。フェイマスに騎乗予定だったムルタ騎手は急遽同厩のキャバレー Cabaret に乗り替わり。へファーナン騎手が降ろされる結果になりますが、ヨーロッパでは当たり前のこと。日本的な人情の世界は通用しません。
1番人気が抜けたためでもないでしょうが、オッズは3頭が2対1で並ぶという珍しいケースになりました。
結果もこの3頭で決まり。勝ったのは、そのムルタが騎乗したキャバレーの逃げ切り勝ち。2着は4馬身半でアルシャバー Alshahbaa 、3着に短頭差でキッティー・キールナン Kitty Kiernan 。
ほとんど圧勝だったキャバレー、血統的に長い距離もいけそうなので1000ギニーと同時にオークスへのオッズも出されました。
ところでムルタ騎手、今年は騎乗停止になるケースが多いような気がしますがなんのその。この日、いやこの夜は第1レースから第3レースまで3連勝、あっという間にハットトリックをやってのけました。
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