出揃った夏競馬

前回サラトガ競馬場の開幕をレポートしましたが、夏の西海岸を代表するデル・マー競馬場もそれに先立って7月20日に開幕しました。ただ、デル・マーでの最初のG戦は昨日の23日から。サラトガとは1日遅れのスタートです。
そのデル・マー競馬場 Del Mar の開設は1937年7月3日。カリフォルニア州だけに、俳優や著名人などが取締役に就任して華々しく「夏の競馬場」としてスタートしました。翌年にはシー・ビスケットが出走したマッチレースの舞台としても有名。今年の開催は7月20日から9月7日までのほぼ7週間、東のサラトガと覇を競う熱戦が繰り広げられます。

そのデル・マー競馬場のG戦第一弾がエディー・リード・ステークス Eddie Read S (芝GⅠ、3歳上、9ハロン)。1974年創設、GⅠに格上げされたのは1988年からです。現在では、これまたブリーダーズ・カップ・マイルの需要なステップ・レースと目されている一戦。
今年の勝馬はアクラメーション Acclamation 。6頭立て。スタートから外目をハナに立ち、向正面では追走馬を引き付け、第3コーナー手前からスパートして引き離す鮮やかな逃げ切り勝ち。2着ジェラニモ Jeranimo には3馬身4分の1差を付ける快勝でした。これでG戦は3連勝、ハリウッドのチャールズ・ウィッティンガムに続きGⅠは2連勝です。
調教師はドナルド・ウォーレン、騎手はジョエル・ロザリオ。

一方のサラトガ競馬場はコーチング・クラブ・アメリカン・オークス Coaching Club American Oaks (GⅠ、3歳牝、9ハロン)。1917年に英国のオークスを模し、オーギュスト・ベルモントによって創設されたアメリカの牝馬クラシックを代表するレース。本来はベルモント競馬場で行われるレースでしたが、去年からサラトガに移行されました。私が競馬に興味を持ち始めた頃はアメリカ牝馬三冠の最後として12ハロンで行われていましたが、現在はエイコーン(ベルモントの8ハロン)→CCAオークス(サラトガの9ハロン)→アラバマ(サラトガの10ハロン)で構成される三冠の第2弾として位置付けられています。グレード制導入時からGⅠに格付けされている伝統の一戦。
今年の勝馬はイッツ・トリッキー It’s Tricky 。僅か5頭立て。大外5番枠からスタート、経済コースの内ラチ沿いに逃げたケンタッキー・オークス馬プラム・プリティー Plum Pretty を終始外を回って2~3番手で追走、直線でプラム・プリティーを4分の3馬身競り落としての優勝です。6月のエイコーン・ステークスに続くGⅠ2連勝で、通算成績は6戦5勝。現時点で3歳牝馬の頂点に立ちました。順当なら三冠最後のアラバマ・ステークスに向かうでしょう。
調教師はキアラン・マクローリン、騎手はエディー・カストロ。

もう一つ夏場を代表するアーリントン・パーク競馬場(こちらの夏開催は5月6日から9月25日までの長丁場)からはスターズ・アンド・ストライプス・ステークス Stars and Stripes S (芝GⅢ、3歳上、12ハロン)。1929年に創設された当時はダート・コースのレースでしたが、1950年以降はほぼ芝コースで定着、ブリーダーズ・カップが導入されてからは、同ターフの重要なトライアルとして位置付けられています。そろそろ秋のBCに向けて有力馬が始動する時期に入ったということでもありましょう。
ところが今年は前夜に激しい降雨があり、当日は芝コースが使用不能、レースもポリトラック・コースに変更されてしまいました。この結果、アメリカ・グレード・ステークス委員会は当レースのGⅢを撤回、結局は一般のステークスとして記録されることになりました。アメリカではこういうこともあるんですねぇ~。
それでも記録だけレポートしておくと、
今年の勝馬はフリー・ファイター Free Fighter 。7頭立て。2着は2馬身差でウインチェスター Winchester 。調教師はマイケル・リーヴィス、騎手はティモシー・ソーントン。フリー・ファイターは2009年のこのレースの勝馬で、去年は3着でした。二度目の勝利。

以上、変則的な土曜日のG戦レポートです。

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