ダービー2着馬の実力
7月6日のアメリカ競馬は、モンマス・パーク競馬場のG戦2鞍です。サルヴァトーレ・マイル・ステークス Salvator Mile S (GⅢ、3歳上、8ハロン)は当初12頭の登録がありましたが、前日のレースに回った3頭が取り消しての9頭立て。一般ステークスを2連勝中のイッツマイラッキーデイ Itsmyluckyday が6対5の1番人気に支持されていました。
レースは2月にマインシャフト・ハンデ(GⅢ)に勝ってトップ・ハンデ(121ポンド)を背負ったブラデスター Bradester が逃げ、イッツマイラッキーデイは4番手追走。直線で前を行く2頭の外に持ち出した本命馬、粘るブラデスターを1馬身半差し切って人気に応えています。ハナ差で2番手を追走していたヴァリッド Valid が3着。前年のこのレースを大穴で勝ったレージング・ダウー Raging Daoust は6着、今年は不発に終わりました。
エドワード・プレーサ厩舎、パコ・ロペス騎乗のイッツマイラッキーデイは、ダービー15着、プリークネス2着(勝馬はオーブ Orb)とクラシック路線に乗った4歳馬。G戦はホーリー・ブル・ステークス(GⅢ)に次ぐ2勝目で、今期は4月にガルフストリーム、5月にはモンマスで一般ステークスに連勝し、ステークス3連勝を達成しました。
続いてはメインのユナイテッド・ネイションズ・ステークス United Nations S (芝GⅠ、3歳上、11ハロン)。勝馬にはBCターフへの優先出走権が与えられる重要なステップ・レース。ブラッドホース電子版では第63回と書かれていましたが、当方の調査では61回目のはず。施行されなかった年が1年ありますが、あと1回のズレは何でしょうか?
馬場は firm 。1頭が取り消して9頭立てとなり、4月のメイカーズ・マイル(芝GⅠ)でワイズ・ダン Wise Dan の2着した実績のあるケイガン Kaigun が3対1で1番人気。
レースは2番人気(7対2)トゥワイライト・エクリプス Twilight Eclipse が好スタートからハナに立ちましたが、最初のスタンド前では大外のスロー・スタートから一気に差を詰めたサイド・グランス Side Glance が先頭で流れを作ります。向正面で流れが落ち着いた時には、ケイガンは2番手に上がっていました。直線、一旦3番手に控えていたトゥワイライト・エクリプスが前を交わして先頭に立ちましたが、前半は後方に待機していた8対1(正式な人気順は不明)のメイン・シークエンス Main Sequence が外から襲い掛かり、トゥワイライト・エクリプスを首差抑えて優勝。1馬身差で逃げたサイド・グランスが3着に粘り込み、ケイガンは5着敗退。
グレアム・モーション厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のメイン・シークエンスは、これがアメリカ・デビューでいきなりのGⅠ制覇。去年までは英国のデヴィッド・ラニガン厩舎に所属していた5歳馬で、3歳時にはダービーでキャメロット Camelot の2着した実力の持ち主。その年はリングフィールド・ダービー・トライアル(当時はGⅢ、タペタ・コースでの開催)に勝ち、パリ大賞典4着、セントレジャー5着の実績も。去年は6戦して未勝利、英国最後のレースはチャンピオン・ステークス(GⅠ)8着で、その後アメリカに転じていました。この冬は病気のためレースには使えませんでしたが、久々の休み明けでダービー2着の底力を見せ付けた形です。
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