セントレジャー開催３日目

ドンカスター競馬場のセントレジャー開催、三日目の昨日は３鞍のパターン・レースが行われました。レース順に紹介していきましょう。馬場状態は前日と同じ good 。

先ずこの日の第１レースに行われたフライング・チルダース・ステークス Flying Childers S (ＧⅡ、２歳、５ハロン)。
１０頭立て。１０対３の１番人気に推されていたのは、前々走グッドウッドのモールコム・ステークス(ＧⅢ)に勝ち、ヨークのナンソープ・ステークス(ＧⅠ)で古馬に挑戦するも１３着(１５頭立て)に惨敗していたリクイント Requinto でした。

レースはヴォケーショナル Vocational の逃げ、これをマークしたリクイントが残り１ハロンで先頭に立ちます。ここに後方からバーワーズ Burwaaz とカレドニア・レディー Caledonia Lady が襲い掛かりましたが、リクイントが短頭差凌ぎ切ったところがゴール。
２着バーワーズと３着カレドニア・レディーの着差は半馬身でした。
リクイントとバーワーズはモールコム・ステークスの１・２着馬。モールコムで１馬身４分の１あった差は、今回は短頭差にまで縮まっています。

クールモアが所有するリクイントは、アイルランドのデヴィッド・ワッチマン厩舎、ウェイン・ローダン騎乗。
馬場状態に大きく左右される馬で、この日のような速い時計が出る馬場が適しています。前走のヨーク惨敗は、あくまでも馬場が敗因でしょう。
次走はミドル・パーク・ステークスかアベイ・ド・ロンシャン賞を計画しているようですが、コースの馬場状態が判断の決め手になることは間違いありません。

続いては第３レースのドンカスター・カップ Doncaster Cup (ＧⅡ、３歳上、２マイル２ハロン)。１頭取り消しがあり、７頭立て。
１１対８の１番人気は、グッドウッド・カップとロンスデール・カップに連勝中のオピニオン・ポール Opinion Poll 。その前のアスコット・ゴールド・カップではフェイム・アンド・グローリー Fame and Glory の２着と、英国のステイヤーでは最強を自認する一頭です。

先ずタスタヒル Tastahil 、続いてタクティシャン Tactician が逃げる流れから、後方を進んだオピニオン・ポールが直線で馬なりのまま先頭に立って人気に応えるかと思われた時、更に後方で待機していた３番人気(１１対２)のサドラーズ・ロック Sadler’s Rock が一気に本命馬を交わし、そのままオピニオン・ポールに４馬身差を付ける逆転劇。更に１馬身４分の１差でモトリース Motrice が３着に入りました。

サドラーズ・ロックは、馬名から想像できるように大種牡馬サドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells の最後の産駒となる３歳馬。このレースのためにアイルランドからジョン・オックス師が遠征させてきた期待の一頭です。鞍上はナイアル・マッカラー騎手。
３歳になった今年デビューした馬で、これで６戦３勝。前走のリステッド戦(愛セントレジャー・トライアル、カラー競馬場)で３着、パターン・レースは初挑戦での初勝利でした。本命馬より１ストーン３ポンドも軽い負担重量が有利だったとはいえ、４馬身差の圧勝にはオピニオン・ポールのゴドルフィン陣営も脱帽でした。
このまま順調に行けば、来年は一流のカップ・ホースに育つ器。ブックメーカーは来年のアスコット・ゴールド・カップに１４対１のオッズを出しています。

３日目最後は、第４レースのメイ・ヒル・ステークス May Hill S (ＧⅡ、２歳牝、１マイル)。
８頭立ての１番人気(２対１)は、７月にニューマーケットの新馬戦に勝ったばかりのフォールン・フォー・ユー Fallen For You 。レース内容の良さ(この勝利で１０００ギニーのリストに挙がる)から２戦目でのＧ戦挑戦も問題なしと見做されていました。

レースはセマイェル Semayyel の逃げ。勝負は後方待機組の末脚勝負に持ち込まれます。
一足先に抜け出したゴドルフィンのリリック・オブ・ライト Lyric Of Light (９対１の４番人気)が、最後は外に切れながらも追い込むフォールン・フォー・ユーを首差凌いで優勝。ロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークス(ＧⅢ)に勝ったサミター Samitar が３馬身４分の１差で３着。

リリック・オブ・ライトはマームド・アル・ザローニ厩舎、ランフランコ・デットーリ騎乗。本命馬同様ニューマーケットで新馬勝ち(８月)したばかりの新星で、２戦２勝。この勝利で初めて１０００ギニーの候補に挙がり、オッズは２着馬と同じ１２対１が出されました。
次走はロンシャンのマルセル・ブーサック賞かアスコットのフィリーズ・マイルを予定している由。

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