2013ドンカスター・セントレジャー開催3日目

レジャー開催のドンカスター、開催3日目のG戦は3鞍。今日もレース順に紹介して行きましょう。馬場は前日と同じ good to soft 。

最初はフライング・チルダース・ステークス Flying Childers S (GⅡ、2歳、5ハロン)。2頭が取り消して7頭立て。人気は割れ、リッチモンド・ステークス(GⅡ)3着のサンダー・ストライク Thunder Strike と、モールコム・ステークス(GⅢ)4着のスリーパー・キング Sleeper King が並んで10対3の1番人気に並んでいました。
ハノン厩舎のファスト Fast と人気の一角サンダー・ストライクの先行争いから、3番人気(4対1)のウインド・ファイア Wind Fire が抜けて一旦は先頭に立ちましたが、後方に待機していた最低人気(18対1)のグリーン・ドア Green Door が末脚を爆発させて一気に前を交わし、ウインド・ファイアに1馬身4分の1差を付ける番狂わせです。半馬身差でエクストーショニスト Extortionist が3着に入り、サンダー・ストライクは5着、スリーパー・キングも6着と共に惨敗に終わりました。

勝馬を管理するオリー・スティーヴンス調教師は、3着馬のトレーナーでもあり、この日はキーンランド・セールに参加するためアメリカ出張中。インタヴューに答えた夫人によれば、グリーン・ドアは天気予報が更に雨を予測していたために出走に踏み切った由。予報ほどには馬場が悪化しませんでしたが、いずれにしても重馬場でのみチャンスのある馬のようです。
勝鞍はニューマーケットとリングフィールドの一般戦に続いて3勝目。パターン・レースはノーフォーク・ステークス(GⅡ)に一度挑戦したのみで、その時は7着に終わっていました。前走はヨークの一般戦で19頭立ての11着。人気が無かったのも当然でしょう。

続いては伝統のドンカスター・カップ Doncaster Cup (GⅡ、3歳上、2マイル2ハロン)。世界にグループにせよグレードにせよG戦がいくつあるのかは知りませんが、このレースこそ世界最古のG戦。いや、現在まで続いているレースでG戦に格付けされている最も古いレースです。創設は1766年、最古のクラシックであるセントレジャーより10年早く、第1次世界大戦で4年間、第2次大戦で7年間の中断があったものの、今年で237回目を迎える長距離戦。
1頭が取り消しての7頭立て。翌日に予定されている愛セントレジャーが古馬にも開放されているため天秤にかける馬も多く、レヴェルは戦前ほどには高くありません。そんな中で2対1の1番人気に支持されたのは、去年の2着馬でカドラン賞でも2着したハイ・ジンクス High Jinx 。今期は5月にヘンリー2世ステークス(GⅢ)で4着したのみですが、目標の秋を迎えての仕上がりに期待が掛かります。

デザート・リクルーズ Desert Recluse の逃げ、4番手につけたハイ・ジンクスが最初に動いて先頭に立ちましたが、最後方に待機していた3番人気(3対1)のタイムズ・アップ Times Up が外に膨れながらも鋭く伸び、粘るハイ・ジンクスに1馬身4分の1差を付けての優勝。半馬身差でリピーター Repeater が3着。
勝たれて見ればタイムズ・アップは去年の勝馬。ドンカスター・カップを複数回制した馬は10頭目となり、去年はジョン・ダンロップ師が管理していましたが、同師が去年で引退したため、現在は師の子息エド・ダンロップが管理。調教師としても父子連覇という珍しい記録となりました。鞍上はライアン・ムーアで、こちらは去年のエディー・エイハーンから乗り替わっています。もちろん来年の3連覇を目指すことになるでしょう。
今年はヘンリー2世ステークス6着から始動、ゴールド・カップは14頭立て13着と奮いませんでしたが、前走ヨークのロンステール・カップ(GⅡ)で3着と復調の兆し。今年はアスコットのチャンピオン・ステイヤーズに挑むことになりそうです。

最後はメイ・ヒル・ステークス May Hill S (GⅡ、2歳牝、1マイル)。7頭が出走し、前走スイート・ソレラ・ステークス(GⅢ)を未勝利ながら制したイーティマル Ihtimal が11対10の1番人気。オーナーのゴドルフィンはこのレース3連勝中で、陣営が有力な2歳牝馬をこのレースに使ってくることも人気の要因です。

カワーセム Qawaasem の逃げ、2番手に付けていた2番人気(9対2)で同じゴドルフィンのマジェイダ Majeyda が先に先頭に立ちましたが、4番手で機を窺っていたイーティマルがカワーセムとマジェイダの間を割るように鮮やかな瞬発力で抜け出すと、マジェイダに2馬身差を付けて見事期待に応えました。更に2馬身差でレディー・ララ Lady Lara が3着。このレース得意のゴドルフィンのワン・ツー・フィニッシュ。厩舎は違えどゴドルフィンの4連覇となります。
イーティマルはサイード・ビン・スロール厩舎、シルヴェストル・デ・スーザ騎乗。G戦2連勝で、次走はフィリーズ・マイルでGⅠを目指すことになるでしょう。この馬場であの瞬発力、1000ギニーのオッズは一気に12対1と、レース前の半分程に上昇しました。
同馬の母はイースタン・ジョイ Eastern Joy で、半姉のウエスタン・ウインド Western Wind は仏オークスを制した馬。3歳になれば、少なくとも2000メートルまでは克服できる血統でもあります。

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