期待されるサンデーサイレンス系
フランスの平場競走も終幕が近付いてきました。昨日は、夏場以外では唯一行われるドーヴィル競馬場のパターン・レースが行われています。ここで行われる最後のG戦でもあります。
レゼルヴォアール賞 Prix Reservoirs (GⅢ、2歳牝、1600メートル)。1996年からドーヴィルに移管されたレースですね。
この日は全9レースの内、芝コースは3レース、残りはファイバーサンドを敷き詰めたコースが使われます。もちろんレゼルヴォアール賞は芝コースで、馬場状態は good to soft の発表。
出走馬は8頭。6対4の1番人気に推されたマシューラ Mashoora は、夏のドーヴィルで新馬勝ちし、同じドーヴィルでカルヴァドス賞(GⅢ)で2着した馬です。
レースはワフィヤー Wafiyah が逃げ、3番手を進んだマシューラがゴール前2ハロンで動きましたが、前半は中団に待機した48対10の Boldogsag が短頭差で本命馬を交わして優勝。4分の3馬身差3着には最後方からラジャスターニ Rajastani が追い込みました。
勝った Boldogsag は読み方が判りません。「ボールドグサーグ」とでもしておきましょうか。もちろん馬名の意味も現時点では不明です。管理するパスカル・ベイリー調教師はこのレース、1989年のゴールデン・エラ Golden Era 以来2度目の勝利。騎乗したクリストフ・ルメールは初勝利となります。
9月17日にロンシャンの新馬戦(1600メートル)でデビュー勝ち、続くメゾン=ラフィットの条件戦(10月8日、1600メートル)も連勝し、これで3戦無敗となります。ベイリー師によれば、どこからでも競馬が出来る自在なタイプの由で、来期に期待が膨らみます。
ところでボールドグサーグの父はレイマン Layman といい、我がサンデー・サイレンス Sunday Silence 産駒の1頭。2002年生まれですから、ディープインパクトと同じ世代で、フランスで走り、2歳時にカブール賞(GⅢ)を制した馬。今年の2歳が2年目の産駒となります(ディープインパクトと同じ種牡馬歴)。
レイマン産駒では、この日のドーヴィルの第2レース(ファイバーサンド・コース、2歳牝馬の未勝利戦)でもクイーン・バブル Queen Bubble という馬が勝ち名乗りを挙げました。
フランスにおけるサンデーサイレンスの父系は、2歳チャンピオンのダバーシム Dabirsim を出したハットトリック、バロッチ Barocci のディープインパクトに続きこの日のレイマンと、着実に実績を重ねつつあります。
御存知のように、サンデーサイレンスは現代の主流であるノーザン・ダンサー Northern Dancer とミスター・プロスペクター Mr. Prospector からはフリーの血脈で、多くの牝馬とアウトクロスの配合が得られる点が最大の武器だと言えましょう。
こうした馬たちの活躍により、サンデーサイレンス系の種牡馬が海外に流出して行く可能性も広がるのではないでしょうか。
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その後判ったところによると、Boldogsag は、ハンガリー語で「幸福」の意味だそうです。同馬の血統からは幸福は見出せません。
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