日曜日のサンタ・アニタと、カナダのビッグ・デイ

先ずアメリカから。日曜日のG戦はサンタ・アニタ競馬場で行われた一鞍だけのグレード・レースから行きましょう。

サンタ・アニタ競馬場のハロルド・C.ラムザー・シニア・ステークス Harold C. Ramser Sr. S (芝GⅢ、3歳牝、8ハロン)。1981年にヤンキー・ヴァラー・ハンデ Yankee Valor H として創設。1989年に現在のレース名に変更されました。ハロルド・ラムザーは恐らく人名と思われますが、如何なる人物かは不明です。2008年からGⅢに格付け。
今年の勝馬はアップ・イン・タイム Up In Time 。11頭立て。前半は4番手、直線では3頭分の外を回って抜け出し、セレスティアル・キッテン Celestial Kitten に1馬身4分の1差を付けて快勝。今年2つ目のG戦勝利となります。去年はイギリスで走っていた牝馬で、今年サン・クレメンテ・ハンデに勝った時に、現オーナーが英国人馬主から大半の所有権を買い取っていました。
調教師はサイモン・キャラガン、騎手はマーチン・ガルシア。

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ところで昨日はカナダのウッドバイン競馬場 Woodbine でブリーダーズ・カップに繋がる重要なトライアルが3鞍行われています。
当欄はカナダは守備範囲ではありませんが、ヨーロッパの強豪が何頭も参戦していましたので、簡単に結果だけ紹介しておきましょう。

最初はネアークティック・ステークス Nearctic S (GⅠ、3歳上、6ハロン)。芝コースの短距離戦で、ブリーダーズ・カップ・ターフ・スプリントへの指定レース。

勝ったのは地元カナダ、コーリー・ナカタニ騎乗のリーガリー・レディー Regally Ready で、ゴール前は3頭の写真判定となる大接戦。
イギリスから挑戦したロジャー・チャールトン厩舎のベイテッド・ブレス Bated Breath は最後鋭く追い込みましたが、僅か首差及ばず2着惜敗でした。

E.P.テイラー・ステークス E.P.Taylor S (GⅠ、3歳上牝、1マイル2ハロン)は、ブリーダーズ・カップ・フィリー・アンド・メア・ターフの指定レース。

英国(デヴィッド・シムコック厩舎、ウイリアム・ビュイック騎乗)のアイム・ア・ドリーマー I’m A Dreamer と仏国(ロベール・コレ厩舎、ジェラール・モッセ騎乗)のドリーム・ピース Dream Peace の激戦になりましたが、勝ったのは両馬の中を割って伸びた地元のミス・ケラー Miss Keller でした。
フランス(ロワイヤー=デュプレ厩舎、スミオン騎乗)のアドヴェンチャー・シーカー Adventure Seeker が4着、イギリス(チャールトン厩舎、ゴメス騎乗)のシー・オブ・ハートブレイク Sea of Heartbreak は5着と、ヨーロッパ勢が2~5着を独占するも、優勝は成らず。尤も、ミス・ケラーは3歳の夏まではアイルランドのジョン・オックス厩舎に在籍していた馬。ヨーロッパ・コネクションであることには違いがありません。父もモンジュー Montjeu ですしね。

カナディアン・インターナショナル・ステークス Canadian International S (GⅠ、3歳上、1マイル4ハロン)は、ブリーダーズ・カップ・ターフへの指定レース。もちろんジャパン・カップにも繋がる一戦です。

ここはヨーロッパ勢が上位を独占しました。優勝はフランス(ジョン・ハモンド厩舎、クリストフ・スミオン騎乗)の牝馬セーラ・リンクス Sarah Lynx 、前年の覇者ジョシュア・トゥリーJoshua Tree (ボッティ厩舎、カービー騎乗)が2着、愛ダービー馬(エイダン・オブライエン厩舎、コーム・オダナヒュー騎乗)のトレジャー・ビーチ Treasure Beach 3着、そして去年のセントレジャー馬アークティック・コスモス Arctic Cosmos (ゴスデン厩舎、ビュイック騎乗)が4着という結果でした。
何より内ラチ沿いに抜けて牡馬を蹴散らしたセーラ・リンクスを御したスミオンの好騎乗は特筆モノ。前日にムチの新ルールで憤懣が溜まっていただけに、鮮やかな勝利で一気に溜飲を下げたことでしょう。それにしてもセーラ・リンクスはEPテイラーではなくインターナショナルを選んでの快挙。ヴェルメイユ賞は4着でしたが、又もや新ヒロインの誕生に沸くウッドバインでしたね。おっと、この牝馬もモンジュー産駒。2着も父はモンジューですから、正にモンジューのためにあったウッドバインでもありますな。

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