秋のロンシャン開幕

ドーヴィル競馬場の夏開催も8月一杯で終わり、先週末からロンシャン競馬場の秋開催がスタートしました。9月2日の金曜日がオープンでしたが、パターン・レースが組まれたのは昨日の日曜日から。今回はそのレポートです。
開催初日こそ good の馬場状態でしたが、週末の雨で馬場は very soft に軟化、3鞍のG戦の舞台となりました。レース順に。

先ずはロシェット賞 Prix la Rochette (GⅢ、2歳、1400メートル)。コースも距離も同じジャン=リュック・ラガルデール賞のトライアルとなる一戦です。
出走馬は7頭、イーヴンの1番人気には2戦無敗のアメリカン・デヴィル American Devil が推されていました。

スタート良く先手を奪ったアメリカン・デヴィルでしたが、残り300メートルで一杯。6番手から追い込んだ11対5のソーファスト Sofast が鮮やかに差し切っています。
半馬身差2着にマック・ロウ Mac Row 、更に4分の3馬身差でアメリカン・デヴィルが3着。

ソーファストはフレディー・ヘッド厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗。前走のモルニー賞で4着していた馬で、ダバーシム Dabirsim の評価を高める結果にもなりました。
ヘッド師も予想以上の結果に満足の様子で、当然ながら次走のジャン=リュック・ラガルデールでの雪辱を狙います。

続いてリュテース賞 Prix de Lutece (GⅢ、3歳、3000メートル)。3歳馬の長距離戦で、ロワイアル・オーク賞のトライアルとして位置づけられるレース。
ここも7頭が出走し、これが未だ4戦目の新星パシフィック Pacifique が6対4の1番人気に支持されていました。

本命パシフィック、好スタートから一旦下げ、やや掛かり気味ながら後方に待機。最後の300メートルで外に持ち出し、最後は余裕を残して快勝。首差2着にミス・ラゴ Miss Lago 、半馬身差3着にドイツ馬イビチェンコ Ibicenco が入りました。1・2着は共に牝馬です。
勝ったパシフィックはモンジュー Montjeu の娘で、これで4戦3勝。アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ師の管理馬で、ジェラール・モッセ騎乗。デュプレ師によれば、他に走るレースが無いのでここを使った由で、次走は本来の適距離である2400メートルに戻り、ロワイヤリュー賞を目指す予定だそうです。

最後はパン賞 Prix du Pin (GⅢ、3歳上、1400メートル)。
9頭立ての1番人気(9対5)は、前走モーリス・ド・ギースト賞(GⅠ)で6着(13頭立て)したエヴァポレーション Evaporation 。

あと100ヤードで先頭に立ったエヴァポレーションが期待に応えたかと思われた時、最後方に待機した48対10のベスト・デーティング Best Dating が鋭く伸びて、鮮やかに本命馬を4分の3馬身差し切りました。3着は更に4分の3馬身でソマーアーベント Sommerabend 。
ベスト・デーティングは、ステファン・ワッテル厩舎、グレゴリー・ブノワ騎乗の4歳せん馬。前走はドーヴィルのハンデ戦(グラン・ハンデキャップ・ド・ドーヴィル、1600メートル、リステッド)に勝っていて、これで2連勝。パターン・レースは初挑戦での初勝利です。

今回は1400メートルのG戦に勝ちましたが、ラ・フォレ賞には向かわず、得意の1マイルに戻ってダニエル・ウイルデンシュタイン賞を目指す意向のようです。

ということで、愈々来週は凱旋門賞に向けてのトライアル戦が並ぶロンシャンです。

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