小山実稚恵 ピアノ・リサイタル

昨日は滅多に出掛けない類のコンサートを聴いてきました。ま、ある種のお付き合いで、家内の友人に勧められてのことです。それは、2012 ニューイヤーコンサート 小山実稚恵 ピアノ演奏会 と題されたもの。会場はJR大井町駅に隣接した「きゅりあん大ホール」です。つまり小生の地元。

きゅりあんについては何度か紹介し、あまり良いことは書いてきませんでした。にも拘わらず足を運んだのは、当会の主催が「友の会」という組織で、件の家内の友人がその幹部?。そのお誘いを無碍には断れなかったというワケ。
詳しいことは知りませんが、「友の会」は遥か昔に我が母親もお世話になっていて、今や全国的な大組織でしょう。羽仁もと子氏の思想に基づく団体で、女性の立場をキリスト教精神で支えていく団体と解釈してきました。単に家事の援助に留まらず、文化活動にも熱心なのですね。
今回のコンサートは東京第四友の会が主催、恐らく東京の城南地区が中心と思われます。

さて、私はクラシック音楽の中で最も苦手なのがピアノ。子供の頃に楽器が身近にあったわけでもなく、クラシック音楽に目覚めてからもピアノの音だけは親しめませんでした。何ともメカニックな感じがして、心に響かなかったということ。
それでも古典派のソナタや現代音楽で接することはありましたが、「教養」として、という匂いがどうしても付き纏っていましたね。ですからオーケストラの定期で協奏曲を聴くことはあっても、中々リサイタルに出掛けるということはありませんでした。

そんな具合ですから、今回は演奏会の報告だけに留めましょう。ピアノ初心者の私でも知っているような名曲ばかりが選ばれていました。

ショパン/ノクターン第1番 変ロ短調 作品9-1
ショパン/ノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2
ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
シューマン=リスト/「献呈」
リスト/3つの演奏会用練習曲~第3曲「ため息」
リスト/「愛の夢」第3番 変イ長調
リスト/パガニーニによる大練習曲~第3番「ラ・カンパネラ」
     ~休憩~
ドビュッシー/ベルガがマスク組曲~「月の光」
ドビュッシー/前奏曲集第1集~第8曲「亜麻色の髪の乙女」
ドビュッシー/前奏曲集第2集~第12曲「花火」
ショパン/ノクターン第13番 ハ短調
ショパン/ピアノ協奏曲第2番より第2楽章(ピアノ・ソロ版)
ショパン/バラード第1番 ト短調 作品23
ショパン/ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53「英雄」

小山実稚恵はもちろん何度も協奏曲の演奏で接しています。最初にノクターンの1番を弾き、そのあとトークがありました。彼女の話を聞くのは初めてだと思います。
短い曲目解説のほか、東北出身(仙台生まれの盛岡育ち)の彼女が震災以後続けてきた被災地各地での演奏についても触れられました。今回のプログラムには、シューマン、リスト、ショパンの3人3様の「愛」が組み込まれていることも。

全体を聴き終えた感想は、小山はショパンの人だ、というものですね。特に後半の4曲は見事。特に私にとって第2協奏曲のソロ版は初めてのもので、非常に興味深く聴くことが出来ました。

アンコールは、やはりショパンのワルツから3曲。「子犬のワルツ」、ワルツ第10番、ワルツ第1番の順で演奏されました。

ところで今コンサートは彼女にとっても2012年最初の演奏会だそうで、明日(1月16日)は杉並公会堂でもプレトーク・イヴェントが行われる由。

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