サマーミューザ、東フィルの巻
昨日の午後、川崎で東フィルを聴いてきました。フェスタサマーミューザの一日です。
今年のフェスタ、私は2回目。定期会員でもある東フィルと、首席指揮者エッティンガー得意のオペラ・プロということで選びました。確かミューザのために準備したプログラムで、定期公演や他公演の流用(言葉が悪い、と叱られそう)ではないと思います。
二人の歌い手もフレッシュな顔ぶれで、これも魅力的。
ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
ヴェルディ/歌劇「リゴレット」~“慕わしい人の名は”
ヴェルディ/歌劇「ドン・カルロ」~“終わりの日は来た~カルロよ聞け”
ヴェルディ/歌劇「椿姫」第1幕への前奏曲
ヴェルディ/歌劇「椿姫」~“ああ、そはかの人か~花から花へ”
マエストロ・トーク
ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」ワルキューレの騎行
ワーグナー/歌劇「タンホイザー」~“夕星の歌”
ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
東京フィルハーモニー交響楽団
指揮/ダン・エッティンガー
ソプラノ/吉原圭子
バリトン/与那城敬
コンサートマスター/三浦章宏
フォアシュピーラー/戸上眞理
11時半から公開リハーサル、本番は午後3時開演で、終演予定は4時10分。休憩は無く、その間にマエストロ・トークなるものがあると予告されていました。
リハーサルはパスしましたが、時間を勘違いしていたため座席に着いたのは開演ギリギリ、火照りを冷ます間も無く運命の力が始まりました。
平日の昼ということでかなり空席が目立ちましたが、拍手はそれをカバーするほど盛大でした。尤もプロムスを聴いていると、もっと沸いてもいいのに、とも感じます。ま、国民性の違いと言えばそれまでですが。
演奏については特にコメントすることもありませんが、やはりエッティンガーは本質的にオペラの人、と感じましたね。
ヴィオレッタのアリアに絡むクラリネットの3連音符など、単なる伴奏に留めないのは流石だと思います。
間に行われたトークは、普通に英語(通訳付き)。イスラエルで生まれ育ったため、ヴェルディは子供の頃から親しんで来たものの、ワーグナーは後にベルリンに留学するまで知らなかったという思い出。自身だけでなく、より若い世代でも同じだという所にイスラエルの苦悩が垣間見られます。
エッティンガーはバレンボイムの元で研鑽を積んだ人だけに、ワーグナーも堂々たるもの。ユダヤ人の底知れないパワーも感じました。いずれはバレンボイムの後継者たるべき存在かもしれません。聴けるときに聴いておいた方が良い指揮者。
ところで、この日はコンマスの隣、即ちフォアシュピーラーの席にセカンド主席の戸上が座っていました。珍しいこともあるものだと思っていましたが、タンホイザーの序曲を聴いて納得。あの個所を終えて第1プルトの二人が目を合わせてニッコリしていたのが印象的でしたね。
アンコールは最初から分かっているようなもので、もちろんワーグナー/歌劇「ローエングリン」の第3幕前奏曲。全て終了したのは、予定を30分もオーバーした4時半過ぎでした。
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