フェア・グラウンズのG戦2鞍、と

昨日はルイジアナ州のフェア・グラウンズ競馬場で年度最初のグレード戦が行われました。この日はステークスだけでも6戦という豪華版、その内G戦は2鞍です。

そのフェア・グラウンズ競馬場最初のG戦はカーネル・E.R.ブラッドリー・ステークス Col. E. R. Bradley S (芝GⅢ、4歳上、8.5ハロン)。レース名のエドワード・ライリー・ブラッドリーは、20世紀初めに活躍した実業家でフェア・グラウンズ競馬場の運営にも手腕を発揮した人物の名前に因んだもの。フランスから名牝ラ・トロワイエンヌ La Troienne を輸入した功績があります。2008年からGⅢに格付けされました。
今年の勝馬はミスター・ヴェガス Mr. Vegas 。6頭立て。当初は8頭が登録していましたが直前に2頭が取り消し、結果大外となる7番枠発走のミスター・ヴェガス(5対1)が好スタートから先頭に立ち、そのままの逃げ切り勝ち。しかし直線で2番手から追い上げてきたデュビアス・ミス Dubious Miss が迫ってきたときに外に寄れ、デュビアス・ミスのラネリー騎手が追うのを躊躇う場面がありました。当然ながら審議となりましたが、最終的には着順通りで確定、2着は1馬身半差でデュビアス・ミスという結果になっています。イーヴンの1番人気に支持されたサントレイサー Suntracer は4着敗退。勝ったミスター・ヴェガスは3連勝、21戦目にして初デビューとなったG戦を見事に勝利で飾りました。
調教師はリチャード・シェーラー、騎手はミゲール・メナ。

もう一つのG戦がルコント・ステークス Lecomte S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)。1970年創設。レース名のルコントは19世紀半ばのアメリカの名競走馬で、レキシントン Lexington のライヴァルとして知られている馬。GⅢに格付けされたのは2003年から。
今年の勝馬はミスター・ボウリング Mr. Bowling 。フル・ゲートの13頭立て。4番枠スタートから前半は6番手の内。徐々にポジションを上げて第4コーナーでは先行2頭の外から追い上げ、外を通って追い込むズィー・ダガー Z Dager に頭差競り勝っての優勝。更に大外から伸びたシェアード・プロパティー Shared Property は半馬身届かず3着。ミスター・ボウリング(7対2の2番人気)はこれで5戦3勝、今年の三冠を狙う有力馬にのし上がってきました。このあとリズン・スター・ステークス(GⅡ)、ルイジアナ・ダービー(GⅡ)と順調に歩めば三冠への道が開けるでしょう。
勝利調教師ラリー・ジョーンズ師はこのレース、ここ6年で3勝目。この日組まれていた3歳のステークス戦も同じオーナー(ブレトン・ジョーンズ氏)の馬で制しています(もう一鞍はシルヴァーバレットデイ・ステークスのビリーヴ・ユー・キャン Believe You Can)。騎手はロビー・アルバラード。

一方、サンタ・アニタ競馬場ではパロス・ヴァーデス・ステークス Palos Verdes S (GⅡ、4歳上、6ハロン)が行われました。1951年創設の歴史ある短距離戦。グレード制が導入された1973年にはGⅢに格付けされましたが、その後1975年から1987年まではグレードから外れ、1988年にGⅢに復活を果たしています。GⅡに格上げされたのは1998年から。
今年の勝馬はフルミオス Frumious 。6頭立て。スタート良く飛び出すと、そのままスピードで押し切っての圧勝、2着ガリエントス Galientos に5馬身4分の3の大差を付けていました。出れば本命になるはずのアマゾンビー Amazombie (去年BCスプリントを制してチャンピオン・スプリンターに選ばれた快速馬)が雨で渋った馬場のため直前で取り消し、コートサイド Courtside が19対10の1番人気に支持されていましたが、精彩を欠いてシンガリ負け。GⅠ馬のユーロイアーズ Euroears は4着敗退で現役を退くことになり、同じくGⅠホースのエム・ワン・ライフル M One Rifle も5着に敗れる波乱でした。6対1のブービー人気で勝ったフルミオスは、3連勝でG戦初勝利を達成。陣営によれば、3月末のドバイ(ゴールデン・シャヒーン)に向かう可能性もある由。
調教師はジェフ・ボンド、騎手はアントニオ・ロペス・カスタノン。

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