ベルモントの２歳戦
漸く凱旋門賞の結果を纏めましたが、もう一本、日曜日にアメリカで行われたグレード・レースの顛末を記録しておきましょう。
１０月２日のアメリカは、東海岸と西海岸で夫々Ｇ戦が行われましたが、特にベルモント・パーク競馬場では２歳馬のＧ戦のみ４鞍が纏めて施行されています。
そのベルモント・パーク競馬場のテンプテッド・ステークス Tempted S (ＧⅢ、２歳牝、６ハロン)。１９７５年創設。ナシュア・ステークスの牝馬ヴァージョンで、１９５９年にアメリカの古馬牝馬チャンピオンに選ばれた牝馬の名前。
今年の勝馬はビリーヴ・ユー・キャン Believe You Can 。５頭立て。大外５番枠スタート、そのまま終始外を回って進出し、２着ペレンニアル・ソング Perennial Song に２馬身半差を付け楽勝。ブリーダーズ・カップ・シリーズに今シーズンから新設されるジュヴェナイル・スプリントに向けたトライアルを制したことになりますが、挑戦するか否かは未定とか。これで４戦３勝となります。
調教師はラリー・ジョーンズ、騎手はガブリエル・サエズ。
ナシュア・ステークス Nashua S (ＧⅡ、２歳、６ハロン)。１９７５年創設、一旦はＧⅢに格下げされていましたが、一昨年からＧⅡに復帰しました。レース名のナシュアは、１９５５年の全米年度代表馬に選出された名馬。
今年の勝馬はヴェクサー Vexor 。６頭立て。２番手追走。直線では逃げたトリンニバーグ Trinniberg との長い叩き合いを４分の３馬身制して優勝。２着は６馬身半の差が付いてミスティック・ママ Mystic Mama 。
調教師はジョン・キンメル、騎手はデヴィッド・コーエン。
ミス・グリロ・ステークス Miss Grillo S (芝ＧⅢ、２歳牝、８．５ハロン)。１９８０年創設の芝コースの２歳牝馬戦。２００８年から去年までの３年間はブリーダーズ・カップの指定レースでしたが、今年はその枠から外れたようです。
今年の勝馬はピュア・ゴシップ Pure Gossip 。８頭立て。前半は内々の３～４番手に控え、直線で外から先行馬を捉えると、後は桁違いの脚色で他馬を突き放す圧勝。芝コースは初挑戦でしたが、血統的には芝向きの馬だそうです。
調教師はフィリップ・サープ、騎手はライアン・キュラトロ。
ピルグリム・ステークス Pilgrim S (芝ＧⅢ、２歳、８．５ハロン)。１９７９年創設の芝コースで行われる２歳戦。これもミス・グリロ同様に去年までの３年間はブリーダーズ・カップの指定レースでした。レース名は、１９１９年にレムゼン・ステークスに勝った馬の名前から。
今年の勝馬はシェイクスピア・シャリアー Shkspear Shaliyah 。６頭立て。前半は最後方、直線で大外から鮮やかな追込み勝ち。２着は３頭が並ぶ混戦で、これも後方から最内を衝いて伸びたキッテンズ・キッド Kitten’s Kid が１馬身差。
調教師はドゥードノース・シヴマンガル、騎手はアレックス・ソリス。勝馬はこれで３戦２勝。
続いて西海岸、サンタ・アニタ競馬場のクレメント・Ｌ．ヒルシュ・ターフ・チャンピオンシップ Clement L. Hirsch Turf Championsip (芝ＧⅡ、３歳上、１０ハロン)。１９６９年にオーク・トゥリー・ステークスとして創設。ブリーダーズ・カップ・ターフへの西海岸代表を選出する重要なトライアル戦。
今年の勝馬はアクラメーション Acclamation 。７頭立て。前半２番手、直線で抜け出すと、これをマークするように進んだチャンプ・ペガサス Champ Pegasus を４分の３馬身抑える横綱相撲で１番人気に応えました。これで５連勝、ブリーダーズ・カップ・ターフに向けて西海岸代表の座を確固たるものにしています。ダートコースのＧⅠも制しているだけに、クラシックを選択する余地も残されているでしょう。天候に伴う馬場状態がキーポイントかも。
調教師はドナルド・ウォーレン、騎手はパトリック・ヴァレンズエラ。
オーク・リーフ・ステークス Oak Leaf S (ＧⅠ、２歳牝、８．５ハロン)。１９６９年創設。これもブリーダーズ・カップへのステップレースに位置付けられる一戦で、ブリーダーズ・カップ・ジュヴェナイル・フィリーズへの指定レース。
今年の勝馬はウィーミスフランキー Weemissfrankie 。８頭立て。先頭から離された５番手追走。直線で大外から追い上げ、インコースから早目に先頭に立ったキャンドレア Candrea をゴール寸前に半馬身捉えて優勝。前走デル・マー・デビュタントに続くＧⅠ戦に連勝し、無敗のままブリーダーズ・カップに挑みます。陣営ではメイン・コースだけではなく芝コースへのチャレンジも考えている由。
調教師はピーター・ユールトン、騎手はラファエル・ベジャラノ。
最近のコメント