ビューティー・パーラーに好敵手出現
4月も中旬を過ぎ、ヨーロッパにもクラシックの足音が近付いてきました。昨日はフランスのサン=クルー競馬場でオークスに向けたトライアルが行われています。ペネロープ賞 Prix Penelope (GⅢ、3歳牝、2100メートル)、仏オークスと同じ距離。
馬場状態は soft 、7頭が出走してきました。
人気は割れましたが、最終的には2対1の1番人気に支持されたヴァルドレルヒェ Waldlerche が逃げ切って期待に応えています。後方から進んだクレシー Crecy が2着、速目に仕掛けましたが、勝馬を脅かすには至らず4分の3馬身差。3着には好位を進んだ差の無い2番人気(23対10) Rjwa が頭差で続きます。
3着馬の読み方は不詳ですが、仮に「ルジワ」とでもしておきましょう。Rの後にJが続くスペルはアラブ語でしょうか、私の知識を超えた命名です。
マクシム・グィヨン騎手がペースをスローに落として逃げたため、道中引っ掛かってリズムに乗れない馬も何頭かあった様子。流れが速ければ結果が変わっていた可能性もありそう。
ヴァルドレルヒェはアンドレ・ファーブル厩舎ですが、オーナーがドイツ人のためにドイツ語名が付けられています。翻訳すれば「森ヒバリ」とでも言いましょうか、歌が巧そうな名前ですね。
2歳時は11月にメゾン=ラフィットでデビュー勝ちした1戦のみ。今回はシーズン初戦でしたから、これで2戦2勝とパーフェクトな成績です。デビューは不良馬場、昨日も重馬場ですから、良馬場で真価が問われることになるでしょう。
父はモンスン Monsun 。半兄にセントレジャー馬マスケッド・マーヴェル Masked Marvel を持つクラシック血統ですが、イギリスとアイルランドのクラシックには登録がありません。フランスでもオークスのみ。恐らくこれまでのキャリアと血統からギニー戦線はパスするでしょうが、先日ギニー・トライアルを圧勝したディープの娘ビューティー・パーラー Beauty Parlour とは仏オークスで対決する可能性があります。
もちろん追加登録してギニーに出走する可能性も無いとは言えませんが。
ペネロープ賞に勝ってクラシックを制覇した馬と言えば、1976年の英仏オークスを連闘で制覇したポーニーズ Pawneese が思い出されます。また、1982年に勝ったオール・アロング All Along はクラシックこそ逃したものの、4歳で凱旋門賞とワシントンDCインターナーショナルを制した名牝。
久し振りにペネロープから大物が出るかが注目されます。
また、これが7度目の制覇となるアンドレ・ファーブル師、ペネロープ賞の最多勝利記録に並びました。これまで単独首位だったジェフリー・ワトソンは、1950年代から70年代まで活躍した調教師。1992年から1996年まで5連覇したファーブルのことですから、記録更新も時間の問題じゃないでしょうか。
騎乗したマクシム・グィヨンにとっては、ペネロープ初制覇となります。
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