クレオパトラ賞

昨日はサン=クルー競馬場でクレオパトラ賞 Prix Cleopatre (GⅢ、3歳牝、2100メートル)が行われています。馬場は回復して good 。

仏オークスへのトライアルとして知られている一戦ですが、これに先立つ1か月ほど前(4月17日)に同じ競馬場、同じコースでペネロープ賞(GⅢ)が行われていました。例年、ペネロープ組からクレオパトラに参戦する馬が何頭かいますが、勝馬には2キロのペナルティーが課せられますので、パスする馬も多いようです。
ところが今年はペネロープ勝馬のヴァルドレルヒェ Waldlerche が負担重量を覚悟で挑戦してきました。前走での逃げ切り勝ちが圧勝だったため、ここも無事に通過できるという判断でしょう。同じペネロープ組からは4着だったブロコッテス Brocottes も参戦。
このレース10勝と最多勝利調教師記録保持者のアンドレ・ファーブル厩舎、セントレジャー馬マスケッド・マーヴェル Masked Marvel の妹という血統的魅力もあって、このヴァルドレルヒェが3対5の断然1番人気ですが、出走馬5頭の中にはヴァルドレルヒェ以外にも無敗馬が2頭もいて、予断を許さぬメンバー。

前走同様マクシム・グィヨン騎乗のヴァルドレルヒェが積極的にハナを奪い、後続を離して逃げ切りを画します。しかし先頭で向かった直線、意外や本命馬は脚を失くして後退。替って3番手を進んでいた2番人気(47対10)のダルカラ Dalkala が楽に抜け出すと、2着プペー・フラッシュ Poupee Flash に4馬身の大差を付けての逆転劇。3着には3馬身半差でラ・コンケランテ La Conquerante が入り、ヴァルドレルヒェは更に4馬身置かれた4着惨敗です。
期待を裏切ったヴァルドレルヒェは初黒星(ここまで2戦2勝)、ペネロープが soft だったのに対し、今回は good の馬場状態だったのが敗因かも知れません。同じコース、同じ距離で前走は2分19秒80、今回が2分13秒70と、6秒以上速いタイムによる決着だったことが結果を物語っているように思えます。
因みにクレオパトラ賞のレース・レコードは、去年ガリコヴァ Galikova がマークした2分8秒00、昨日より5秒以上速いタイムでの決着でした。

逆に勝ったダルカラはこれで3戦3勝となって無敗をキープ。オーナーのアガ・カーンはこのレース5勝目、調教するアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ師は4勝目、騎乗したクリストフ・ルメールは2勝目となります。
クレオパトラ賞はコースこそ違えど仏オークスと同じ距離、絶好のトライアルではありますが、クレオパトラ/仏オークス連覇はこれまで1957年のセリソール Cerisoles 、1976年のポーニーズ Pawneese の2例しかありません。去年レコードで勝ったガリコヴァは、クラシックでは2着でした。
またペネロープ/クレオパトラのダブルも、前記ポーニーズと1993年のウィミス・バイト Wemyss Bight の2頭に留まっています。これを見ても、ペネロープ/クレオパトラ/仏オークスのハットトリックに加えて英オークスも制したポーニーズの強さには舌を巻くものがあります。ポーニーズは連日紹介しているダニエル・ウイルデンシュタインの勝負服で走った馬でしたね。

ビューティー・パーラーにとってオークスのライヴァルと目されていたヴァルドレルヒェが頓挫、替って新たにダルカラが名乗りを挙げたという情況でしょうか。

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