チョイ荒れのウィルシャー

今週末に迫ったオークス・ダービーを前にアメリカの競馬情報誌は専ら有力馬たちの動向に紙面を割いていますが、その中、昨日はハリウッド競馬場でG戦が一鞍行われています。

ウィルシャー・ハンデキャップ Wilshire H (芝GⅢ、3歳上牝、8ハロン)。一昨年のオープニングはナイターでしたが、昨日は日中の開催、芝コースの馬場状態は firm でした。8頭が出走し、去年のアメリカン・オークス(芝GⅠ)をキャンビーナ Cambina と同着で優勝を分け合ったネレイド Nereid が6対5の1番人気に支持されています。
レースは2番人気(4対1)を分け合っていたブリーキャット Briecat が逃げ、直線でもしぶとく粘ります。これを2・3番手で追走した最低人気(46対1)のアンタレス・ワールド Antares World と6番人気(15対1)のクワイエット・オアシス Quiet Oasis が並んで追い上げ、最後の1ハロンで末脚が勝ったクワイエット・オアシスが半馬身抜け出しての差し切り勝ち。2着は大接戦で、結局写真判定の結果ブリーキャットとアンタレス・ワールドが同着。本命ネレイドは更に半馬身差4着に終わりました。ネレイドは余程同着に縁があるものと見えます。
アイルランド産のクワイエット・オアシスは、英国でスプリンターとしてキャリアをスタートさせた馬。ブライアン・ミーハン厩舎の下でBCジュヴェナイル・フィリーズ・ターフ(芝GⅡ)に遠征して7着、それを機会にアメリカに転じ、現在のベン・セシル師が調教してきました。今回は5か月の休養明けと1マイルのスタミナに不安がありましたが、見事な逆転劇でのステークス初勝利です。
セシル師はこのレース、2002年のユーロリンク・レインダンス Eurolink Raindance 、2010年のメダリア・ダムール Medaglia d’Amour に続く3勝目。騎乗したマリオ・グティエレスはウィルシャー初勝利ですが、今週末のケンタッキー・ダービーではクワイエット・オアシスと同じオーナーのアイル・ハヴ・アナザー I’ll Have Another (サンタ・アニタ・ダービー勝馬)に騎乗することが決まっています。
ところで我々がクワイエット・オアシスに注目したいのは血統。父はオアシス・ドリーム Oasis Dream ですが、母はオーストラリア産のサイレント・ヘアー Silent Heir 、名前から想像できるように、母の父はサンデー・サイレンス Sunday Silence なのですネ。

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