権利を得てBCへ
10月4日の日曜日に行われたアメリカ競馬のレポートです。本来なら昨日の朝にアップする記事でしたが、何しろ昨日は一日中土曜競馬を追い掛けることに追われ、結局ここまで辿り着きませんでした。一晩休養して新たな気持ちで臨みます。
さて日曜は二つの競馬場でG戦が3鞍。先ずBC出走権を掛けたキーンランド競馬場の2鞍から行きましょう。最初は勝馬にBCジュヴェナイル・ターフの優先出走権が与えられるバーボン・ステークス Bourbon S (芝GⅢ、2歳、8.5ハロン)。漸く yielding まで回復した馬場にフル・ゲートの14頭立て。他に登録していた2頭が除外になるという盛況ぶりです。ステークスに勝った馬は唯1頭だけと言う難解なメンバーですが、その馬も10番人気と言う大混戦。4頭が5対1で並び、僅かの差で1戦1勝のエアロフォース Airoforce が1番人気でした。
最低人気(78対1)のアーゴット Argot 、7番人気(9対1)のホット・オア Hot Or 2頭のハナ争いを3番手で見ていたエアロフォース、第4コーナーで前2頭を外から捉えると、後方2番手から追い込む同じ5対1のキャメロット・キッテン Camelot Kitten に2馬身半差を付けて人気に応えました。更に半馬身差で6番手追走のやはり5対1サイディング・スプリング Siding Spring とオッズ通りの結果。ファンの目は大したものです。
勝ったエアロフォースは、3着馬と共にマーク・カッセ厩舎で、ジュリアン・ルパルー騎乗。9月5日にケンタッキー・ダウンズ競馬場でデビュー勝ちしたばかりで2戦2勝。内容の良さからBCでも好勝負が期待できそうな新星です。
続いては、今年で60回目となるスピンスター・ステークス Spinster S (GⅠ、3歳上牝、9ハロン)。こちらはBCディスタッフの対象レースで、fast の馬場に9頭立て。去年と今年のケンタッキー・オークス馬対決という見所もあり、去年のディスタッフ覇者でもあるアンタパブル Untapable が8対5の1番人気。
先手を取ったのは今年のオークス馬で2番人気(3対1)のラヴリー・マリア Lovely Maria 、アンタパブルは4番手追走です。逃げ馬を2番手で追走していた6番人気(20対1)のヤヒルワ Yahilwa を加えた3頭が激しく競り合いながら第4コーナーに入り、先ずラヴリー・マリアが脱落。ここに前半は最後方で待機していた3番人気(7対2)のゴット・ラッキー Got Lucky が目の覚めるような末脚を繰り出し、前2頭の叩き合いを外から纏めて交わし、アンタパブルを首差捉える逆転劇でした。頭差でヤヒルワが3着に粘り、ラヴリー・マリアは5着。
このレース3勝目となるトッド・プレッチャー厩舎、イラッド・オルティス騎乗のゴット・ラッキーは、去年の5着馬で、これがGⅠ戦初勝利となる4歳馬。今期はモーリー・ピッチャー・ステークス(GⅢ)も含めて4勝目で、前走パーソナル・エンサイン・ステークス(GⅠ)は2着でした。大種牡馬エー・ピー・インディー A.P.Indy の最後の産駒で、母は何年か続けて同馬に配合したものの実らず、やっと最後の歳に受胎してできたのがゴット・ラッキー。彼女の馬名はそれを象徴しての命名だったのですね。もちろんBCディスタッフで頂点を目指します。ここでも「ゴット・ラッキー」となるか。
最後にサンタ・アニタ競馬場のエル・エー・ウーマン・ステークス L.A.Woman S (GⅢ、3歳上牝、6.5ハロン)を紹介しましょう。これはBCの対象ではありませんが、5頭が出走し、G戦に2勝しているタリス Taris が3対5の圧倒的1番人気。
レースはスタートから激しい先頭争いになり、4番人気(8対1)のベンズ・ダッチェス Ben’s Duchess だけがポツンと7馬身も離される中、4頭が横一線のまま第4コーナーを回るという珍しい展開。しかし漁夫の利とはこのことか、一人遅れていたベンズ・ダッチェスが直線で漸く追い付くと、4頭の中から最後まで頑張っていた3番人気(5対1)のユージール Uzziel に3馬身4分の1差を付けて圧勝してしまいました。半馬身差でタリスは3着敗退。
ジョン・サドラー厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のベンズ・ダッチェスは、これがG戦初勝利となる3歳馬。通算成績は9戦4勝2着1回3着4回となり、アローワンス戦に2勝した後、前走デル・マーの一般ステークス(CERFステークス)で今回破ったユージールの2着しての参戦でした。
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