リングフィールドのクラシック・トライアル
ダービー・オークスまで残り3週、昨日はリングフィールド競馬場で夫々のトライアルが行われました。
但し、今春のイギリスは雨ばかり、リングフィールドの芝コースはレースには適さないほど水分を含んでいると判断され、早々と併設されているポリトラック・コースへの変更が発表されていました。それでもGのステイタスは維持されます。ポリトラック・コースの馬場状態は standard と表示。
最初は3歳牝馬と古馬牝馬の混合戦、チャートウェル・フィリーズ・ステークス Chartwell Fillies’ S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。13頭が出走し、3歳は5頭、残り8頭が古馬というメンバー。1番人気(9対4)は3歳のフォールン・フォー・ユー Fallen For You と5歳のチャチャマイデー Chachamaidee が分け合っていました。
レースは古馬の貫録勝ち。直線に向いた時には後ろから二つ目に待機していたチャチャマイデーが馬群を捌いて一気に抜け出し、早目先頭の6歳馬ナイト・リリー Night Lily を1馬身4分の1切って捨てる鮮やかな差し切り勝ち。更に1馬身4分の1差3着にも、最後方で直線に向いた6歳馬ディスフォニア Dysphonia が食い込んでいます。
3歳馬は人気のフォールン・フォー・ユー(6着同着)を含めて良い所なし、5着のヴィルヌーヴ Villeneuve が最先着という結果でした。
サー・ヘンリー・セシル師が管理、トム・クィーリー騎乗のチャチャマイデーは7ハロンから1マイルを得意とする馬、グッドウッドのオーク・トゥリー・ステークスに勝つなど堅実な成績を残しています。これが今期初戦。
何故ポリトラック・コースに使うのか、との記者団の問いにもセシル師は悠然、同じ牝馬同士ならGⅠに勝てる器と、その差し足に期待を膨らませていました。(牡馬には師のフランケル Frankel がいますからね、ぶつけるようなことはないでしょう)
続いてリングフィールド・ダービー・トライアル、今年はスポンサー名を冠してベットフレッド・ダービー・トライアル Betfred Derby Trial (GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)と表記されています。
1番人気(5対4)には、未勝利ながら2戦して2着2回のシャンタラム Shantaram が選ばれていました。
しかしここも鮮やかな差し切りで勝負が決着しています。終始最後方を進んだ2番人気(3対1)のメイン・シークエンス Main Sequence が、直線では内ラチ沿いに末脚を爆発させ、先に先頭に立っていた本命シャンタラムを4分の3馬身差し切って快勝。3着は6馬身の大差が付いてカヴァレイロ Cavaleiro の順。
デヴィッド・ラニガン厩舎、テッド・ダンカンが騎乗したメイン・シークエンスは、これで4戦4勝の無傷。前走はニューマーケットの10ハロン戦で、1マイル半にはやや疑問のある血統ですが、ダンカン騎手は馬自体の走りから距離には不安を抱いていなかった由。最後で尾を振るのも同馬の癖だそうで、全く問題にはならないそうな。
ダービーはフランスにも登録があるので未定ですが、この勝利でオッズは16対1から20対1の範囲に上がっています。オーナーのニアルコス・ファミリーと協議の上でローテーションが決まるでしょう。
最後にオークス・トライアル Betfred Oaks Trial S (リステッド、3歳牝、1マイル4ハロン)ですが、こちらはリステッド戦。結果だけ簡単に紹介しておくと、圧倒的1番人気(11対10)に支持されたヴォウ Vow が若さを見せながらも期待に応えています。
4月にニューバリーでデビュー戦に勝ったばかり、未だ2戦2勝の逸材。オークスに8対1の高評価が出されました。去年オークスをダンシング・レイン Dancing Rain で制したウイリアム・ハッガス厩舎、ジョニー・ムルタ騎乗のコンビであることが何とも不気味。
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