ロイヤル・アスコット2012・2日目
昨日はロイヤル・アスコットの二日目、初日と同様全6レースの内、パターン・レースは4鞍。各界の有名人が揃うロイヤル開催は、日本では味わえない独特な雰囲気に包まれます。
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先ずはジャージー・ステークス Jersey S (GⅢ、3歳、7ハロン)。二日目は馬場もかなり乾いて good 、日本なら稍重の感覚でしょう。
4頭が取り消しましたが、それでも22頭立て。17頭は牡馬、2頭がせん馬、牝馬は3頭というメンバー構成になりました。4対1の1番人気に支持されたアルジャマハー Aljamaaheer は、前走ニューマーケットのリステッド(7ハロン)に勝った馬。7ハロンを得意とする良血馬です。
アルジャマハーは掛かり気味になるのを抑え、後半でスパートを掛けましたが3着まで。優勝はこれも後方を進んだ伏兵(20対1)イシュヴァーナ Ishvana でした。1馬身差2着に2番人気(5対1)のセンタリル Sentaril 、短頭差でアルジャマハーが3着。3頭しか出ていなかった牝馬のワン・ツー・フィニッシュです。もう1頭の牝馬レディー・ゴージャス Lady Gorgeous も6着でしたから、牝馬の大健闘が光りました。
勝ったイシュヴァーナはエイダン・オブライエン厩舎、騎乗したシーマス・ヘファーナンにとっては嬉しいロイヤル・アスコット初勝利。前走愛1000ギニーではサミター Samitar の2着していた実績の持ち主、同3着の同厩馬リプライ Reply (11対2、ジョセフ・オブライエン騎乗、12着)より人気が無かったのは不思議なくらいでした。
続いてはウインザー・フォレスト・ステークス Windsor Forest S (GⅡ、4歳上牝、1マイル)。こちらは直線コースのマイル戦です。
13頭立て。GⅠ2頭が出走、メイトロン・ステークスに勝ったエミュラス Emulous が11対4の1番人気、オペラ賞勝馬のナーレイン Nahrain は13対2の3番人気。両GⅠ馬の間に割って入っての2番人気(4対1)は、去年の2着馬で前走リングフィールドのGⅢ(チャートウェル・フィリーズ・ステークス)に勝ったチャチャマイデー Chachamaidee 、サー・ヘンリー・セシル師が早くから同馬の目標にと掲げていたレースでした。
しかし優勝は上位3番人気までの馬からは出ず、好位追走から抜け出した5番人気(11対1)のジョヴィアリティー Joviality でした。スタートで出遅れ、最後で猛追も首差及ばず2着のチャチャマイデーはアンラッキー、2年連続の2着です。1馬身差3着には4番人気(9対1)のレイ・タイム Lay Time が入り、エミュラスは7着、ナーレインも9着と凡走。
ジョン・ゴスデン厩舎、同馬とずっとコンビを組んできたウイリアム・ビュイック騎乗のジョヴィアリティーは、3歳時にミュジドラ・ステークスに勝った馬。前走エプサムのプリンセス・エリザベス・ステークス(GⅢ)は2着でしたが、ビュイック騎手によればエプサム・コースは巧くないとのこと。今回は直線の1マイルで、馬も伸び伸びと走っていたようです。
3つ目のG戦は、この日唯一のGⅠとなるプリンス・オブ・ウェールズ・ステークス Prince of Wales S (GⅠ、4歳上、1マイル2ハロン)、レース自体が150回目を迎える記念の一戦でもありました。
11頭が出走、ここは人気通りの着順で順当に決まりました。
4対5の断然1番人気は、エイダン・オブライエン厩舎、ジョセフ・オブライエン騎乗のソー・ユー・シンク So You Think 、この秋から豪州で種牡馬入りが決まっている同馬にとっては残り少ない現役レースの大事な一戦です。相手(7対2)は正に今年ダイヤモンド・ジュビリーを迎えたエリザベス女王の持ち馬カールトン・ハウス Carlton House 、前走ブリガディア・ジェラード・ステークス(GⅢ)で復活を果たし、願わくば女王陛下にロイヤル・アスコットでの勝利をプレゼントしたいところ。プランテール Planteur (10対1、4番人気)、リライアブル・マン Reliable Man (12対1、5番人気)という2頭のGⅠ馬を抑えて3番人気(6対1)に支持されたのは、ここまで3戦無敗のファー (あるいは、ファハー)Farhh 、この新星にも注目が集まります。
ペースメーカー、ロビン・フッド Robin Hood の3番手に付けたソー・ユー・シンク、直線では内から抜けたカールトン・ハウスに外から並び掛けると、瞬発力の違いを見せ付けて女王の馬に2馬身4分の1差を付ける快勝。ムーア騎乗のカールトン・ハウスもファーの追走を半馬身抑えて2着を確保、リライアブル・マンが4着で続き、5着にはスライ・プートラ Sri Putra が食い込みました。プランテールは7着。
ソー・ユー・シンクのエイダン・オブライエン師はジャージー・ステークスに続きこの日ダブル、騎乗したジョセフもロイヤル・アスコット初勝利を見事GⅠ戦で飾りました。勝馬にとってGⅠは10勝目。オブライエン厩舎に転じてからは5つ目のGⅠとなります。
去年のこのレースは意外な敗北(2着)、BCクラシックやドバイ・ワールド・カップなどは不慣れな馬場で敗戦が続きましたが、オブライエン師もバート・カミングス師(オーストラリア時代の調教師)の意見などを取り入れ、漸く馬の本来の適性、調教法を確立したようです。やはりソー・ユー・シンクは2000メートルの距離でその能力を最大限に発揮できるタイプ。残すは現役最後となる(であろう)エクリプス・ステークスだけとなってきました。
一方初黒星を喫したファー、前走はサースク競馬場のハンデ戦でしたから、当競馬日記には初登場の馬です。ゴドルフィン期待の4歳馬で、次走は間違いなくキング・ジョージになるでしょう。仕上がりに遅れてトップ・クラスへの挑戦が遅れましたが、この日見せた末脚には将来を約束させるものがあったようです。
二日目最後のG戦は、2歳牝馬によるシーズン最初のパターン・レースとなるクィーン・マリー・ステークス Queen Mary S (GⅡ、2歳牝、5ハロン)。何と27頭立てという、今ロイヤル・アスコットのG戦では最多頭数のレースとなりました。(一つ前のロイヤル・ハント・カップは30頭立てでしたが)
人気も定まらず、5対1の1番人気は、ナースの新馬戦に勝っただけというアイルランド(デヴィッド・ウォッチマン厩舎)のミロニカ Mironica 。しかし彼女は15着と期待を裏切っています。
優勝はトム・ダスコウム厩舎の伏兵(20対1)シーリング・キッティー Ceiling Kitty 。リチャード・キングスコートが騎乗していました。2着は1馬身差で10対1のホヤム Hoyam 、更に1馬身差で11対1のヘアリー・ロケット Hairy Rocket が3着。
実はダスコウム師は2番人気(6対1)のアップワード・スパイラル Upward Spiral のほうに期待をかけていたのですが、こちらは4着(ジョニー・ムルタ騎乗)。陣営ですら判らないのが競馬、特に2歳の牝馬戦ということなのでしょう。
シーリング・キッティーは、3戦目のケンプトンでの未勝利戦(5ハロン)で初勝利、続くヨークのリステッド戦(やはり5ハロン)に連勝。これで5戦3勝となり、次は未知の領域となる6ハロンに挑戦してみる由。未だ2歳戦は始まったばかりという印象です。
まとめtyaiました【ロイヤル・アスコット2012・2日目】
昨日はロイヤル・アスコットの二日目、初日と同様全6レースの内、パターン・レースは4鞍。各界の有名人が揃うロイヤル開催は、日本では味わえない独特な雰囲気に包まれます。http:/…