グローリアス・グッドウッド2012・4日目

三日ぶりにパソコンの電源を入れましたが、休んでいた間はヨーロッパもアメリカも連日のようにG戦が行われていて宿題の山。都会の熱風に煽られてヤル気も起きませんが、熱中症に罹らないように緩々と回復して行きましょう。
ということで、本来なら8月4日の朝にレポートするはずだったグローリアス・グッドウッドの4日目から。

4日目の馬場も good が続き、この日のG戦は4鞍も組まれていました。先ずは第1レースとして行われたグローリアス・ステークス Glorious S (GⅢ、4歳上、1マイル4ハロン)。7頭が出走、9対4の1番人気に支持されたゲートウッド Gatewood はG戦初挑戦ながら、10ハロンのハンデ戦とリステッドで3連勝中の上がり馬。絶好調ゴスデン/ビュイック・チームへの信頼感も手伝っての本命でした。

レースはスタートから3番人気(5対1)のクエスト・フォー・ピース Quest For Peace が先頭に立ち、2番人気(11対4)ゴドルフィンのソングクラフト Songcraft が2番手、ゲートウッドは3番手を追走します。
直線に入ってもクエスト・フォー・ピースの逃げ足は衰えず、馬場の中央を通って、そのまま2着以下に1馬身4分の1差を付けて逃げ切ってしまいました。2着には4番手を進みインを衝いて追い込んだ4番人気(13対2)のダンディーノ Dandino 、更に4分の3馬身差で本命ゲートウッドが3着。

クエスト・フォー・ピースはルカ・クマニ師の管理馬で、クマニ師にとってこのレースは7勝目。去年のドランクン・セイラー Drunken Sailor に続く連覇となり、騎乗したキーレン・ファロン騎手にとっても2年連続制覇となります。クマニ師にとっては余程相性の良いレースと言えましょう。
去年のカンバーランド・ロッジ・ステークス(GⅢ)に勝っているクエスト・フォー・ピース、今期はジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)で2着、コロネーション・カップ(GⅠ)が4着。ロイヤル・アスコットのハードウィック・ステークス(GⅡ)こそ10着敗退でしたが、馬場が良化したここでは本来の力を発揮しての快勝でした。メルボルン・カップへの挑戦が噂されています。

続いては耳慣れないサラブレッド・ステークス Thoroughbred S (GⅢ、3歳、1マイル)。実は去年まではリステッドだった一戦で、今年からGⅢに格上げ。それにしても「サラブレッド」ステークスとは何とも当たり前な名称、他に何か含意でもあるのでしょうかね。
15頭の多頭数が登録していましたが、1頭取り消して14頭立て。人気も割れる混戦で、1番人気(7対2)は2頭が分け合い、続く人気(6対1)にも2頭が並ぶ大接戦が予想されていました。

そして結果も激戦、4番手の外から伸びた6番人気(10対1)のアーチビショップ Archbishop と、5番手から内を衝いた2番人気の一角トランペット・メジャー Trumpet Major が並んだところがゴール。写真判定に持ち込まれましたが、同着(deadheat)が発表されました。
不運だったのは、先頭2頭から4分の3馬身差3着に終わった4番人気の一角アルジャマヘール Aljamaaheer 。6番手の内に付けていましたが、勝負所で前が塞がって出られず、漸く間隙を衝いて追い込んだ時には時既に遅し。この不利が無ければ勝っていたであろう脚色でした。次回への狙い目、ということでしょうな。
1番人気のもう1頭、セント・ジェームス・パレス・ステークス(3着)、ジャン・プラ賞(2着)とGⅠ戦で入着が続いたグレゴリアン Gregorian は14着ドン尻に大敗。2番人気の一角スティピュレイト Stipulate は4着でした。

優勝を分け合ったアーチビショップは、ブライアン・ミーハン厩舎、ランフランコ・デットーリ騎乗。今期は2戦して2着2回、前走渡仏してのポール・ド・ムーサック賞(GⅢ)2着の実績があります。
一方のトランペット・メジャーはリチャード・ハノン厩舎、リチャード・ヒューズ騎乗。クレイヴァン・ステークス(GⅢ)に勝って2000ギニー4着、愛2000ギニーは1番人気で10着どん尻に敗退。今回はGⅢ勝のペナルティー・4ポンドを背負っていました。
G戦に格上げされての第1回、優勝は同着という珍しいスタートになったサラブレッド・ステークスです。

続いてはGⅡ戦。短距離のキング・ジョージ・ステークス(GⅡ、3歳上、5ハロン)です。こちらも多頭数、17頭立て。サラブレッド・ステークスと同様、2頭が1番人気(6対1)を分け合います。去年のアベイ・ド・ロンシャン賞覇者で前走キングズ・スターンド・ステークスは8着に終わったタンジェリン・トゥリーズ Tangerine Trees と、そのキングズ・スタンドで9着、先月のジュライ・カップ・ステークスは4着の豪州馬オルタンシア Ortansia

ところが結果はサラブレッド・ステークスとは違い極めてシンプルなものになりました。アスコットではゲートを出なかったマサーマー Masamah が、スタンドに最も近い枠(17番枠)からダッシュ良く飛び出しての逃げ作戦。しかし後方2番手に待機した人気の一角オルタンシアがウイリアム・ビュイック騎手のゴーサインでスパートすると、馬場の中央を苦も無く突き抜けての圧勝。2着スピリット・クォーツ Spirit Quartz に1馬身4分の1差を付けていました。更に半馬身差で逃げたマサーマーが3着。タンジェリン・トゥリーズは8着に終わっています。

オーストラリアのポール・マサーラ調教師が管理する7歳馬オルタンシアは、これが渡英しての3戦目。初戦はクレイグ・ウイリアムズが騎乗しましたが、前走と今回はビュイックとのコンビ。今回は回復した馬場と、オーストラリアには無い下り坂のコースということもあってか、地元とドバイでGⅠを制した本来の抜けたスピードが活きたと言えましょう。
いずれは豪州に戻る計画ですが、マサーラ師はヨークのナンソープ・ステークス(8月24日)にも使いたい由。鞍上を任されたビュイック騎手の願いでもあります。

4日目最後はオーク・トゥリー・ステークス Oak Tree S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。去年の勝馬チャチャマイデー Chachamaidee は、今年初日のレノックス・ステークスを勝っていますね。1頭取り消して14頭立て。2歳時にチェリー・ヒントン・ステークス(GⅡ)に勝ち、3歳の今年はドバイで走りUAE1000ギニーなど2連勝して英国に戻ったガミラーティ Gamilati が2月以来の実戦ながら9対4の1番人気。

ドイツ馬サーヴェイ Survey が逃げ、デットーリ騎乗のガミラーティは後方2~3番手を進みましたが末脚不発のまま10着敗退。優勝は本命馬の前に付け、外から伸びた4番人気(10対1)のリーガル・レルム Regal Realm 。4分の3馬身差でサンデー・ネクター Sunday Nectar が2着、頭差で3着アピーリング Appealing の順。

勝ったリーガル・レルムはジェレミー・ノセダ厩舎、ライアン・ムーア騎乗。2歳時にはプレスティージ・ステークス(GⅢ)に勝った馬ですが、3歳の今期はネル・グィン・ステークス(GⅢ)で14頭立て13着の実績のみ。久々の実戦を乗り越えての優勝です。

以上が8月3日の4鞍。

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