グローリアス・グッドウッド2012初日
毎年同じ出だしになってしまいますが、今年もグローリアス・グッドウッドがやってきました。流石の悪天候も去り、グッドウッドは夏本番、パナマ帽が似合う競馬場です。
7月31日(火)から8月4日(土)までの5日間、何と言っても2日目(即ち今日)のサセックス・ステークスがメインですが、今年も4頭立て。フランケルを恐れて誰も挑戦してこないのが現実です。去年と同じ頭数ですが、キャンフォード・クリフス Canford Cliffs との対決に沸いた1年前と違い、今年はフランケルの調教を見るようなレースになってしまうかも。
逆転があればファー Farhh でしょうが、10ハロンのGⅠを闘ってきたファーにはマイル戦への逆戻りが吉と出るか凶と出るか、ま、やってみなければ判りません。
今日は初日のレポートが主題、3鞍のG戦をレース順に取り上げましょう。
先ずはゴードン・ステークス Gordon S (GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)、セントレジャーへの最初のトライアルという意味も持っている一戦ですね。
馬場は good 、7頭が出走してきました。この所の快進撃が目覚ましいゴスデン/ビュイック・チームのミケランジェロ Michelangelo が6対4の1番人気、グッドウッドのリステッド戦とニューマーケットのトトソルズ・ミリオンに連勝してG戦初勝利を目指します。3番人気(9対2)を集めたドイツ・ダービー3着のジロラモ Girolamo (シールゲン/シュタルケのコンビ)にも注目。ドイツ・ダービー馬パストリウス Patorius がその後のGⅠ戦でも古馬を破って優勝。レヴェルが高いとの評価が広まっていました。
レースはエド・デ・ガス Ed De Gas が逃げ、ゴドルフィンの新星エンカ Encke が2番手で続きます。勝負所、エンカが先頭に立ちましたが、最後方に待機していた2番人気(11対4)のノーブル・ミッション Noble Mission が外から追い上げ、最後は抜け出した2頭の叩き合い。鼻面を並べたところがゴール版でしたが、タイミング良く頭を下げたノーブル・ミッションにハナ差で軍配が上がりました。ミケランジェロは2馬身半及ばず3着。ジロラモも力及ばず4着敗退。
勝たれて見ればノーブル・ミッションはフランケルの全弟で、兄と同じカーリッド・アブダッラー殿下の所有馬、ヘンリー・セシル厩舎、トム・クィリー騎乗。兄ほどの才能は感じられませんが、3歳になってニューマーケットのリステッド戦(10ハロン)を含め2連勝。5月に同じニューマーケットのリステッド(10ハロン)で2着に終わりダービー出走は断念しましたが、前走ロイヤル・アスコットのキング・エドワード7世ステークス(GⅡ)で2着、秋の成長が期待されます。
この勝利でセントレジャーのオッズは12対1、全く同じ血統でありながら、どうやら弟は長距離向きの脚質のようです。一方未だ4戦目で2着健闘のエンカは14対1。死闘を演じたミケール・バルザロナ騎手は、ムチのルールで4日間の騎乗停止(8月14日から17日まで)を喰らっています。
続いてレノックス・ステークス Lennox S (GⅡ、3歳上、7ハロン)。7頭立て、牡牝混合戦ですが、1番人気(5対4)に推されたのは5歳牝馬のチャチャマイデー Chachamaidee 。前走ロイヤル・アスコットのウインザー・フォレスト・ステークス(GⅡ)では出遅れて2着。マトモに出れば勝てていただろうという評価です。
そのチャチャマイデー、今回も出遅れ。逃げるマジェスティック・マイルズ Majestic Myles の最後方を進みますが、鞍上トム・クィーリーは慌てることなく直線では外から追い上げ、2着リブランノ Libranno (11対2、2番人気)に1馬身半差を付けて期待に応えました。短頭差で11歳馬の伏兵(40対1、最低人気)マック・ラヴ Mac Love が3着。
勝馬を管理するサー・ヘンリー・セシル、騎乗したトム・クィーリー共々ゴードン・ステークスに続くG戦ダブル達成。翌日のフランケルを待つまでもなく、早くも開催リーディングに王手を掛けた形です。
チャチャマイデーは去年のグローリアス・グッドウッドではGⅢのオーク・トゥリー・ステークスに勝っており、今回のGⅡ制覇で次の目標はGⅠ。何処で達成するか、セシル師の計画が気に掛かりますね。
初日3鞍目のパターン戦は、2歳戦のモールコム・ステークス Molecomb S (GⅢ、2歳、5ハロン)。2頭取り消しが出て、10頭立てで行われました。デビュー勝ちのあと2戦目でノーフォーク・ステークス(GⅡ)4着、そのあとサンダウンのリステッド戦に勝ったモラウィージ Morawij が2対1の1番人気に推されたのは当然でしょう。
レースは4番枠スタートのレディー・アイブロックス Lady Ibrox がスタンド側に進路を変えながら先頭、10番枠スタート(スタンドに最も近い枠)の人気薄(14対1、7番人気)バングル・インザジャングル Bungle Inthejungle がそのままラチ沿いに続きます。
好位に付けた本命モラウィジが中央から抜け、残り1ハロン半ではそのまま期待に応えるかと思われた時、一旦死んだふりをしていたバングル・インザジャングルが再びラチ沿いに脚を伸ばし2頭のマッチレースに。最後は写真判定の結果、バングル・インザジャングルが頭差モラウィージを抑えていました。3着は3馬身4分の3差が付いて3番人気(11対2)のホトート Hototo 。2番人気(4対1)のジャダンナ Jadanna は8着敗退です。
ミック・シャノン厩舎、マーチン・ヘイリー騎乗のバングル・インザジャングルは、ソールズベリーとビヴァリーで連勝した後ロイヤル・アスコットのウインザー・キャッスル・ステークス(リステッド)が4着、前走渡仏してのボア賞(GⅢ)では5着していた馬。アスコットでのホトート(ウインザー・キャッスル勝馬)には雪辱を果たしています。次走はフライング・チルダーズなどのスプリント路線になりそうですが、将来のことは未定の段階でしょう。
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