サラトガの2歳戦

8月12日のアメリカは、サラトガとデル・マー。先ず結果が先に入ってくるサラトガ競馬場から二つの2歳戦をレポートしましょう。

サラトガのメインコースは fast 、第10レースのアディロンダック・ステークス Adirondack S (GⅡ、2歳牝、6.5ハロン)は牝馬のための2歳G戦。6頭立て。2頭が一般ステークスに勝っていますが、1番人気(2対5)に支持されたカウアイ・ケイティー Kauai Katie は新馬戦をぶっちぎって勝った馬、ステークス初挑戦です。
その新馬戦ではスタートでトラブルがあったカウアイ・ケイティーでしたが、この日はスムースにスタートしてそのままの逃げ切り勝ち。サラトガ開幕日(7月20日)のデビュー戦(5.5ハロン)での圧勝(2着に12馬身)がフロックではないことを証明しました。2着は2馬身4分の3差でサラメラ Salamera 、更に1馬身半差でフリー・リヴィング Fully Living が3着。
カウアイ・ケイティーを管理するトッド・プレッチャー師は、アディロンダック3勝目。今開催のサラトガでの初勝利になりました。騎乗したロージー・ナプラヴニク騎手は48連敗中、G戦勝利で連敗を阻止しています。

続いては牡馬版のサラトガ・スペシャル・ステークス Saratoga Special S (GⅡ、2歳、6.5ハロン)。去年はユニオン・ラグス Union Rags が勝ったレースですから注目です。アディロンダックを制したプレッチャー師は未だこのレースに勝鞍が無く、2頭を登録してきました。ところが出れば本命になるはずのシャンハイ・ボビー Shanghai Bobby が取り消し、残った6頭の中で1番人気(3対4)に支持されたのは、このコースで勝った唯一の馬スパリアス・プレシジョン Spurious Precision でした。
こちらも1番人気を背負ったスパリアス・プレシジョンがスタートから先手を取り、そのままの逃げ切り勝ち。5馬身差の圧勝で2着はヒーズ・ソー・ファイン He’s So Fine 、更に4分の3馬身差でイン・ハームズ・ウェイ In Harm’s Way が3着。プレッチャー師の2番人気(3対1)ドラム・ロール Drum Roll は4着で又してもスペシャル制覇ならず。
リチャード・ヴァイオレット厩舎、アラン・ガルシア騎乗のスパリアス・プレシジョンは、7月21日にサラトガでのデビュー戦を3馬身半差で勝った馬。アディロンダックの勝馬同様2戦2勝のパーフェクトとなります。小柄な馬ですが、この後はシャンペン・ステークス(GⅠ、10月6日ベルモント競馬場)からBCに駒を進める計画です。

最後にデル・マー競馬場のジョン・C・メイビー・ステークス John C. Mabee S (芝GⅡ、3歳上牝、9ハロン)。firm の芝コース、こちらも6頭立てと少頭数です。1番人気(3対2)は3連敗中ながら去年のアメリカン・オークス(芝GⅠ)でキャンビーナ Cambina (今回も出走)と1着同着だったネレイド Nereid 。去年デル・マー・オークスでも3着しており、今回は初めて装着するブリンカーが奏功することに期待。
しかしブリンカーは却って効果を相殺したようで、本命馬は6着どん尻に敗退してしまいます。優勝は伏兵(6対1)のシティー・トゥー・シティー City to City 。逃げるゴー・フォース・ノース Go Forth North を6馬身離された後方2番手を進み、直線で鋭い差し足を繰り出してゴール寸前オール・スター・ハート All Star Heart をハナ差捉えての優勝。3着は1馬身半差で逃げたゴー・フォース・ノース。人気の一角キャンビーナも4着敗退。
2月にブエナ・ヴィスタ・ハンデ(芝GⅡ)に勝っているシティー・トゥー・シティー、去年は同じデル・マーでパロマー・ハンデ(芝GⅡ)にも勝ってコーストの相性は抜群です。しかし勝馬を管理するジェリー・ホーレンドルファー師によれば、同馬は一昨年デル・マーで負傷、一時は引退も考えたほどだったそうです。今期はハリウッドでゲイムリー・ステークス(芝GⅠ、5月)4着、ロイヤル・ヒロイン・マイル(芝GⅡ、7月)7着からの巻き返し。騎乗したコーリー・ナカタニ騎手は途中でムチを落とすハプニングにも拘わらず、ゴール寸前で差し切る好騎乗。

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