ネルソンス指揮バーミンガム市響

8月21日のプロムスもいろいろ新発見のあるコンサートでした。

≪Prom 51≫
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
エミリー・ハワード/Calculus of the Nervous System (英国初演)
     ~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第7番
 管弦楽/バーミンガム市交響楽団
 指揮/アンドリス・ネルソンス

音楽監督に就任して4年になるアンドリス・ネルソン指揮のバーミンガム市響、メインはロシア物ですが、前半の終わりに演奏された作品は私にとっては全く初体験の音楽です。
現代作曲界にはトンと疎いので些か恥晒しになるかも知れませんが、エミリー・ハワード Emily Howard という作曲家は名前すら初めて聞きました。日本で知られている方でしょうか。

1979年リヴァプール生まれの女性作曲家で、英国ではチェスのチャンピオンだったという経歴を持つ異才。音楽の勉強を始める前に数学とコンピューターを学んだそうで、写真を見ると如何にも頭の切れそうな風貌ですね。プロフィールはこちら↓

http://www.emilyhoward.com/

プロムスのプログラムにザッと目を通すと、五輪年の今年6月、ハワードの歌劇「ザトペック」が初演されたそうです。文化オリンピックの一環だそうで、ザトペックは有名なチェコのマラソン・ランナー。スポーツ音痴の私でも「人間機関車・ザトペック」の名前は聞いたことがあります。
へぇ~、そんなオペラがあるのか、というのも驚きですが、英国はオリンピックの精神を尊重しているんですね。仮に東京で開催されるとしたら、こんなサポートが可能でしょうか。
昨日英国初演された作品は何と訳すべきか。ハワードにとっては大先輩にあたるバイロンの娘、エイダ・ラヴレス Ada Lovelace (1815-1852) の生き様が作品の基礎にある由。ラヴレス讃三部作の最後を成すもので、演奏時間は15分ほど。

またまた自分の無知を暴露するようですが、ラヴレスという女性は数学者のパイオニアで、世界最初のプログラマーとか。コンピューター時代の到来を予言した、とプログラムには書かれています。現代では異論もあるようですが、ラヴレスはこちら↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%B9

で、この作品。正直言って良く判りません。恐らく緻密な計算の上に成り立っているんでしょうが、ハートよりは頭脳に響く音楽と言えるかも。世界にはいろんな人がいるもんです。
グリンカとショスタコーヴィチは特に付け加えることもありません。大編成の割には細部までクリアーに聴こえてくる録音でした。

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