ENOのピーター・グライムズ
8月24日は愈々ENO、イングリッシュ・ナショナル・オペラの登場です。プロムスは毎年何本かのオペラが取り上げられますが、今年は「ペレアスとメリザンド」、「トロイ人」に続いて3本目に当たります。
このあと「フィガロの結婚」がありますし、ミュージカルやサリヴァンのオペレッタも掛かりました。
≪Prom 55≫
ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」全曲
管弦楽/イングリッシュ・ナショナル・オペラ管弦楽団
指揮/エドワード・ガードナー
ピーター・グライムズ/スチュアート・スケルトン
エレン・フォード/アマンダ・ルークロフト
バルストロード船長/イアン・パターソン
アーンティ/レベッカ・ド・ポント・デイヴィス
スワロー判事/マシュー・ベスト
ネッド・キーン/レイ・メルローズ
ボブ・ボウルス/マイケル・カルヴィン
セドリー夫人/フェリシティー・パーマー
その他
合唱/イングリッシュ・ナショナル・オペラ合唱団
ガードナーは「ペレアスとメリザンド」を振ったジョン・エリオットとは別人の若い方のガードナー、今年のファースト・ナイトの冒頭と最後を指揮したのに続いての登場です。
単なる演奏会形式上演ではなく、ミニ・ステージを使って演技を伴っていたようです。日本でも尾高忠明が得意にしていて、読響や札響で紹介してくれましたが、あれとは異なるもの。アルバート・ホールの大きな舞台でこそ可能な上演でしょうか。
全3幕、各幕の終わりに休憩が入り、BBCの放送でも3部に分けて聴くことが出来ます。私は一気に聴き通してしまいましたが、馴染の無い方は一幕づつゆっくり聴かれるのが良いでしょう。
時々客席からの笑い声が聞こえてくるのは、さすがに地元ロンドンの聴衆。英語が苦手な小生には笑う個所が判りません。
それでも第3幕のクライマックス、ピーター・グライムズの狂乱の場の直前で“ピーター・グライムズ!!”と全員が名前を連呼した後のフェルマータで拍手する人がいましたね。それを“シッ”と制する声も聞こえます。ここで終わりと思った観衆は、多分外国からの御登りさんでしょうな。
幕切れ、何もなかったように漁村に平和が訪れる場面の音楽。スコアを見ていてふとマーラーの大地の歌のフィナーレに似ているなと思ってしまいました。それにしても良く出来たオペラです。
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