シャンティーに戻った二つのG戦

昨日の火曜日、フランスのシャンティー競馬場で2鞍の2歳G戦が行われました。馬場は soft 。共に本来はシャンティー競馬場のレースですが、ここ2年は競馬場を他に移して開催されていたもの。

先ずダレンベルク賞 Prix d’Arenberg (GⅢ、2歳、1100メートル)。このレースは歴史的に何度もコースを変えてきた一戦ですが、近年はシャンティー競馬場を本拠にして来ました。しかし去年と一昨年はメゾン=ラフィット競馬場での開催、今年は3年振りにシャンティーに戻ってきた経緯があります。
1頭取り消して5頭立て。牡馬2頭に牝馬3頭というメンバー構成。1番人気(13対10)は、英国のマーク・ジョンストン厩舎が送り込んだベイリーズ・ジュビリー Baileys Jubilee 。ドーヴィルのカブール賞(GⅢ)2着、前走ラウザー・ステークス(GⅡ)でも2着と、3度目の正直でG戦初制覇を目指します。

本命ベイリーズ・ジュビリーが逃げてペースを作りましたが、3番手を追走していた2番人気(9対5)のキー・ヴェーディ Cay Verde が苦も無く抜け出し、ベイリーズ・ジュビリーに4馬身半差を付ける圧勝。更に4馬身差でアクシル Aksil が3着。
キー・ヴェーディはミック・シャノン厩舎、マーチン・ヘイリー騎乗。出走していた英国馬2頭のワン・ツー・フィニッシュです。去年のこのレースは地元パンタル厩舎のワン・ツー・フィニッシュでしたから、形こそ違え1・2着の独占という結果になりました。

ここを楽勝したキー・ヴェーディ、2戦目にアスコットで未勝利戦に勝ち、続くカラーのリステッド戦も連勝。その後はパターン戦線を歩み、ノーフォーク・ステークス(GⅡ)6着、リッチモンド・ステークス(GⅡ)3着、ジムクラック・ステークス(GⅡ)3着と今一歩の成績。今回の勝利でG戦初勝利を飾り、7戦3勝の成績となりました。
ここ2戦はウイリアム・ビュイックが騎乗してきましたが、今回のヘイリーは、アスコットの初勝利でも騎乗していた若手です。
また今回の結果は、両馬の父バハミアン・バウンティー Bahamian Bounty にとってもワン・ツー。日本では全く馴染の無いこの種牡馬は、5代父にチューダー・ミンストレル Tudor Minstrel を持つハイペリオン系の種牡馬で、今年の2歳が12年目の産駒。自身がモルニー賞とミドル・パーク・ステークスに勝っており、短距離系、産駒は2歳から(多くは2歳時のみ)活躍するタイプと判断して間違いはなさそうですね。

続いてオマール賞 Prix d’Aumale (GⅢ、2歳牝、1600メートル)。このレースもこの2年間はロンシャン競馬場で行われましたが、今年は本来の開催コースであるシャンティに戻ってきました。因みに去年は変則開催だったこともあって、当ブログでの紹介を失念していたようです。
こちらも1頭が取り消し8頭立て。5対2の1番人気に支持されたピース・バーグ Peace Burg は、メゾン=ラフィットの新馬戦(6ハロン good の馬場)とドーヴィルの条件戦(8ハロン、soft の馬場)に2連勝中。無傷のままパターン・レースの勝馬にかれるかが注目です。

レースは英国(チャップル=ハイアム厩舎)から挑戦したインディゴ・レディー Indigo Lady の逃げ、本命ピース・バーグは3番手の内で待機します。勝負所、本命馬騎乗のイオリッツ・メンディザバル騎手は外に出そうとしましたが前が塞がって出られず、更に内をこじ開けるように突き抜けると、4番手から伸びたシングル Single を頭差抑えて見事期待に応えました。1馬身半差3着に逃げたインディゴ・レディー。
これで3戦全勝となったピース・バーグは、ジャック・エリール師の管理馬。1マイルのここを制した以上、凱旋門開催で行われるマルセル・ブーサック賞でGⅠ制覇を目指すでしょう。

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