キーンランド閉幕とキーンランド・ゴールド・トレイ

4月26日、キーンランド競馬場の春開催がフィナーレを迎えました。千穐楽のメインは第28回エルクホーン・ステークス Elkhorn S (芝GⅡ、4歳上、12ハロン)、前日のビウィッチ・ステークスと同じ条件による牡馬版です。前日同様 firm の芝コースに11頭立て。芝の12ハロンでGⅡ戦に2勝しているアイオヤ・ビッグタイム Ioya Bigtime が5対2の1番人気に支持されていました。
本命アイオヤ・ビッグタイムが逃げ切り策に出たのは、前日のビウィッチと同じ展開。逃げた本命が直線では一杯となり、着外に敗退したのも昨日と同じ結果になってしまいました。こちらは9着。優勝は、3番手の外を追走した6番人気(8対1)のダーク・コーヴ Dark Cove 。直線でも馬3頭分の外から本命馬に襲い掛かり、2着争いに4馬身4分の1差を付ける楽勝です。2着は後続から抜け出した2頭で、内ラチ沿いに進路を取ったサイド・ロード Side Road が外のスカイ・ブレイザー Sky Blazer にハナ差先着していました。
ミシェル・メイカー厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のダーク・コーヴは、これがG戦初勝利となる6歳馬。昨日も紹介したように、ロザリオ騎手はこの日もハットトリックを加えて開催通算38勝。開催リーディングはもちろん、キーンランドの開催記録を更新する正にロザリオ・ミーティングでもありました。
しかしこの日のハイライトは、ダーク・コーヴのオーナーであるケン・ラムゼイ氏でしょう。春と秋の年2開催を伝統とするキーンランド競馬場では同コースのG戦に8回勝利したオーナーに「キーンランド・ゴールド・トレイ」(金盆)を贈って祝福していますが、今開催最後のG戦となるエルクホーンでラムゼイ氏は見事8勝目を達成、18人目の受賞者となりました。

ラムゼイ氏の所有馬は、今春開催初日の第1レースと第2レースに勝利、千穐楽の昨日もメインのG戦に続き最終レースでも優勝し、開催25勝は新記録でもあります(以前のオーナー記録は12勝)。氏の馬を管理するメイカー調教師も同じく25勝で、これまた開催リーデング。
更に感動的だったのは、ラムゼイ夫人であるセーラ・ラムゼイが、最終日の前日に、以前発症した脳梗塞の合併症でケンタッキー病院に急遽入院。夫のケンは朝方夫人を見舞ってから競馬場に向かい、第3レースで所有馬がワン・ツー・フィニッシュを達成すると直ぐに夫人に報告するため病院に戻り、金盆の掛かったメイン・レースを観戦したのでした。残念ながら夫人同伴でトレイを受け取ることは出来ませんでしたが、記念品を携えて夫人の基に駆け付けたのはもちろんです。

以上、記録尽くめのキーンランド春開催レポートでした。

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