ゴールド・カップの前哨戦

愈々今日から5月、海外の競馬もクラシック・シーズンに突入しますが、その前に4月30日に行われたアスコット競馬場最初のG戦から。

サガロ・ステークス Sagaro S (GⅢ、4歳上、2マイル)は、6月の王室主催の開催で行われるゴールド・カップの前哨戦。去年のサガロに勝ったエリザベス女王のエスティメイト Estimate がゴールド・カップをも制し、英国の競馬ファンを狂喜させたことは記憶に新しい所でしょう。
今年の馬場は soft 。7頭が出走し、去年のゴールド・カップでエスティメイトにハナ差で敗れたハリス・トゥイード Harris Tweed が15対8の1番人気に推されていました。

そのハリス・トゥイードがハナを叩いて逃げ、直線へ。これを追走していた伏兵のオリエンタル・フォックス Oriental Fox (14対1、5番人気)とアース・アンバー Earth Amber (16対1、6番人気)が並び掛ける本命馬は早くも一杯。しかし伏兵2頭も後から来た2番人気(7対2)のタック・ド・ボアストロン Tac De Boistron の末脚には歯が立たず、タック・ド・ボアストロンがアース・アンバーに5馬身差を付ける圧勝に終わりました。更に1馬身差でオリエンタル・フォックスが3着。ハリス・トゥイードは騎手が馬を緩めたこともあって、6着馬から32馬身も離される大敗です。
終わって見ればタック・ド・ボアストロンは出走馬中唯一のGⅠ馬。昨シーズンの最後にロワイアル・オーク賞(GⅠ、フランス・セントレジャー)を制した馬ですが、そのペナルティー(7ポンド)が不安視されての2番人気でした。マルコ・ボッティ厩舎、ランフランコ・デットーリ騎乗で、これが今期初戦です。
5月末にもフランスで長距離G戦が行われますが、この勝利を見てボッティ師はゴールド・カップ直行を示唆しました。オッズも7対1と上がりましたが、陣営は今回の馬場が勝因との見解、師は“固い馬場では走らせたくない”意向のようです。あくまでも馬場次第ということでしょう。

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