高名な競走馬オーナーたち

5月競馬がスタート、フランスとイギリス両国で一鞍づつのパターン・レースが行われました。夫々のオーナーたちは世界的に高名な人物でしたが・・・。さて、

先ずフランスのサン=クルー競馬場、1マイルのGⅡ戦ミュゲ賞 Prix Muguet (GⅡ、4歳上、1600メートル)は、good to soft の馬場に12頭が出走して行われました。
23対10の1番人気は今期既にG戦で連続2着しているドン・ボスコ Don Bosco 、エクスバリー賞(GⅢ)とダルクール賞(GⅡ)は何れも2000メートルと同馬にはやや長い距離だっただけに、得意の1600メートルでは負けられないところでしょう。

果敢に逃げたドン・ボスコでしたが、ゴール前は後続馬が次々と襲い掛かり大接戦に。結局4頭が並ぶスリリングな結末でしたが、本命ドン・ボスコが何とか頭差でサルキーラ Sarkiyla を抑えて優勝。短首差でソーファスト Sofast 3着、更に首差で去年の勝馬ジナバー Zinabaa の順。
デヴィッド・スマガ厩舎、グレゴリー・ブノア騎乗のドン・ボスコは、去年ゴントー=ビロン賞とパース賞の二つのGⅢ戦に勝っており、GⅡは初めて。今期は悲願のGⅠを目指して上記2戦からガネー賞に向かう予定でしたが、やはり2000メートルは一線級相手では心持長かった結果に。陣営は方針を転換し、ミュゲを踏み台に1850メートルのイスパハン賞でGⅠ制覇を目指します。
何度も紹介しているように、ドン・ボスコのオーナーは「アラビアのロレンス」で有名な俳優オマール・シャリフ氏。ゴール前の激戦に、思わず双眼鏡で鼻を気付付けてしまいました。次走は更に力が入ることでしょう。

続いてはイギリスのアスコット競馬場。長距離のサガロ・ステークス Sagaro S (GⅢ、4歳上、2マイル)は、去年は同競馬場が湛水してケンプトンのポリトラック・コースに変更されたことをご記憶でしょう。今年は雨の心配はなく、good の馬場に10頭が出走してきました。
2対1の1番人気は、去年ロイヤル・アスコットでクィーンズ・ヴァース(GⅢ)に勝ったエスティメイト Estimate 、その後は2戦して何れも3着止まりでしたが、4歳となった今期は更なる上昇が期待されます。

レースはトレス・ロック・ダノン Tres Rock Danon が逃げ、それにハンダザン Handazan が絡みます。キーレン・ファロン騎乗のサー・グレアム・ウェイド Sir Graham Wade が先頭に立ちましたが、残り2ハロンで抜けた本命エスティメイト、中団から追い上げるコーカス Caucus を1馬身4分の3差抑えて見事期待に応えました。サー・グレアム・ウェイドが半馬身差で3着。一昨年の勝馬で8歳のアスカー・タウ Askar Tau も出走していましたが、20対1の人気薄で9着惨敗です。
エスティメイトはサー・マイケル・スタウト師の管理馬で、主戦のライアン・ムーア騎乗。何よりエリザベス女王陛下の持ち馬で、去年のアスコットでは女王に替ってフィリップ殿下が女王にトロフィーを贈るという微笑ましい光景が見られましたね。
ところで代替となった去年のサガロ・ステークスに勝ったカラー・ヴィジョン Colour Vision はそのままアスコット・ゴールド・カップに勝ちましたから、エスティメイトにもゴールド・カップ制覇の期待が掛かります。更に4ハロン伸びる距離は未知の世界ですが、血統的には問題ないでしょう。来月の本番に向けたオッズは8対1から12対1。女王陛下にとっても、今年は特別なロイヤル開催となりそうですネ。

以上、昨日はオマール・シャリフ氏と女王陛下の馬が目出度くG戦勝馬のオーナーとなりましたが、二人が顔を合わせる機会があるとすれば、当然ロイヤル・アスコット。
ドン・ボスコが予定を変えてクィーン・アン・ステークスでGⅠ制覇を達成すれば、女王がシャリフ氏にトロフィーを贈る場面が見られそう。そんなシーンを連想してしまいたくなる5月のスタートでした。

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