プロムス・リング第3夜

今朝は雷の音で目が覚めました。時計を見ると午前4時を少し回ったところ。窓から外を見ているとやがて雨が降り出し、今朝の散歩は止めにします。
所在なくBBC3に繋ぐと、丁度ジークフリートの第3幕が始まる時間。午前4時45分頃でしたが、そのまま中継を聴き続け、日本時間の朝6時10分に演奏会が終了しました。
それにしても凄い集中力。バレンボイムとベルリン・シュターツカペレ以下、ワーグナーの深い世界を堪能します。

ということで、今回のプロムスは最初に第3幕を、朝の諸々を済ませてから第1幕、第2幕の順に聴き終えました。

≪Prom 18≫
ワーグナー/楽劇「ジークフリート」(演奏会形式)
 シュターツカペレ・ベルリン
 指揮/ダニエル・バレンボイム
 ランス・ライアン(ジークフリート)
 ニナ・シュティンメ(ブリュンヒルデ)
 テルへ・ステンスフォルト(さすらい人)
 ピーター・ブロンダー(ミーメ)
 ヨハンネス・マルティン・クレンツル(アルベリヒ)
 エリック・ハルヴォルセン(ファーフナー)
 リナット・モリアー(森の小鳥)
 アンナ・ラーション(エルダ)

キャストはブリュンヒルデ、アルベリヒとミーメの兄弟、エルダが前2作と同じキャスト、そしてワルキューレではフンディングを歌ったハルヴォルセンがラインの黄金のファーフナーに戻っての配役です。全体として統一が取れたリングでしょう。
朝の雷ではないけれど、第3幕前奏曲の終わりや、ヴォータンの槍をジークフリートが打ち砕く場面で雷鳴音の効果も用いていました。

面白かったのは第2幕、ジークフリートが草笛を試して巧く行かない所で客席から笑い声が起きます。
続いて難しいホルン・ソロが出る所で、ライアンが客席に“トレ・ビアン”(?)と言ったのでしょうか、ドッと笑いが生じていました。ここはホルン吹きにとっては胃が痛くなるような難所だそうですが、主役と客席の遣り取りで奏者はいくらかプレッシャーから解放されるかも。
こんな聴き方はこれまで体験したことが無かったし、こういう接し方もあるのかと、改めてプロムスの聴衆に感心してしまいました。「不真面目じゃないか」などと言う批判は的外れでしょうね。恐らくワーグナー本人が聴いていたら喝采を上げたかも。

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