BBCウェールズのロシア・プロ

リング明けのプロムスは、BBCウェールズ管のロシア・プログラムです。首席指揮者ソンデガードの指揮。
彼はデンマーク生まれで今年44歳の若手? ロイヤル・スコティッシュ国立管の首席客演指揮者も務めているそうで、BBCウェールズにはティエリー・フィッシャーの代役としてデビューし、好評を博したそうな。

≪Prom 21≫
コリン・マシューズ/ターニング・ポイント(英国初演)
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番
     ~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
 指揮/トーマス・ソンデガード
 ダニエル・ホープ(ヴァイオリン)

プロコフィエフとショスタコーヴィチだけでも十分へヴィーなプロだと思いますが、その前に英国の現代作品が一つ紹介されました。
学年は一つ上だけれど、私と同い年のコリン・マシューズです。3つ上のデヴィッドと共に兄弟作曲家で、マーラーの研究家としても知られる人。例のマーラー第10交響曲クック版は、クックの他にマシューズ兄弟も編纂に加わっていたことは良く知られている所でしょう。
コリンはブリテンとも親交が厚く、晩年のブリテン作品にはマシューズが手を加えたものもありますね。

今回英国初演された作品は、オランダのコンセルトヘボウのために書かれたもの。コンセルトヘボウ大ホールの音響を意識して作曲された由。ターニング・ポイントという題名は、曲中に出現する「転換点」を意味するものだそうで、聴いていると何処かが判る仕掛けになっています。
何処かは、実際に聴いてみて見つけてくださいナ。スコアとパート譜はフェイバーから貸譜になっていて、自身が書いた作品解説を読んだ方が手っ取り早いかも。

http://www.fabermusic.com/Repertoire-Details.aspx?ID=3855

プロコフィエフのソロを弾くホープと言う人は良く知りませんが、楽音の他に足踏み音などが大きく聴こえ、かなり派手なアクションで演奏する人ではないかと想像されます。

最後のショスタコーヴィチは、労働歌をいくつも取り込んだ作品。ロシア人が聴くとどんな感じなのでしょうか。
そう言えばベートーヴェンの第5交響曲も戦歌がいくつも使われているそうで、時代を経ると引用された音楽が忘れられて芸術作品だけが残ることになります。この曲もそうした一つになるのでしょう。

個人的にはラザレフが日本フィルに初登場したときの名演が忘れられません。アルバート・ホールで実際に聴けば感想はまた違ったものになるでしょう。

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